日本財団 図書館


(2)郊外部北東部地区のバス交通の問題・課題
 当地区の大半は市街化調整区域であり農地、山間部で形成されている。太宰府市との境界に接する地区の一部とその周辺が市街化区域である。人口9217人、高齢人口1414人(15%)人、一人暮らし138世帯が住む居住区である。
 JR二日市駅から発着する路線バスネットの一つが当地区を通っており、福祉バスネットは、筑紫山家を経由する毎日コースと、西鉄二日市駅周辺を経由する週1回コースの系統で運行されている。
 
●バス停へのアクセス
 東吉木、原、西吉木、宮の森団地、上阿志岐東、中阿志岐、下阿志岐、牛島の地区では、バス停より300m以上離れるバス不便地区が多くみられ、これらの地区の居住人ロ、高齢化人口は多い。
福祉バス
 福祉バスのバス停は、ほぼ路線バスのバス停と同じ位置にあるが、バス停が少ないため、福祉バスの不便地区は路線バスの不便地区よりさらに広い範囲に及んでいる。不便地区は路線バスの地区と同様である。
 
●利便性
路線バス
 牛島、西吉木までは運行回数(135回)は比較的多いが、それ以遠は運行回数(13〜100)が少なくなり、不便になっていると考えられる。
福祉バス
 毎日コースが運行されている居住区は限定されており、週1回コースしかない居住区が相当多い状況である。
 
●公共公益施設へのアクセス
 路線バスのバス停から300m以上離れている公共公益施設がある。特に総合保険福祉センターの路線バスによる利用は、不便になっていると考えられる。
 
 郊外部西南地区と同様、大石、本道寺、柚須原の地区は、路線バス、福祉バスとも主要な道路を走り、一応サービスされている形態になっているが、山間部の集落に居住する高齢者、特に一人暮らし世帯に対し、シビルミニマム、福祉サービスの充実の観点から、生活交通確保などの対策が必要な地区と考えられる。
 
図表4−14 郊外部北東地区の評価
  人口 高齢者人口と割合 一人暮らし世帯 路線バス不便地区(バス停300m以上) 福祉バス不便地区(バス停300m以上) 路線バス、福祉バスの利便性が低い
山口 1012 201(20) 29 一部○
古賀 1004 171(17) 18 一部○
萩原 360 63(18) 9 一部○ 一部○
平等寺 352 74(21) 21 一部○
2728 509(19) 56      
 
(3)郊外部東部地区のバス交通の問題・課題
 当地区は、大半は市街化調整区域で農地、山間部の土地利用の集落であり、岡田地区が区画整理により整備され市街化区域となっている。
 路線バスのネットは、筑紫駅と筑前山家駅とが結ばれているネット、筑前山家駅から出る駅フィーダー、朝倉街道駅から出る駅フィーダーの3本のネットで各方面へのアクセスができるよう構成されている。
 福祉バスは、筑前山家駅を通り郊外部北東地区経由の毎日コースと山家1区方面をサービスする週1回コースの系統で運行されている。
 
●バス停へのアクセス
路線バス
 山家1・2区以外はほぼバス停が300mピッチで入っているため、バス停へのアクセスが悪い地区は、ごく限られた、狭い範囲内にある集落になっていると考えられる。
福祉バス
 路線バスの場合とほぼ同様であり、福祉バスはバス停が少ないことにより、不便区域の範囲は広くなっている。
 
●利便性
路線バス
 筑前山家駅までの区間の運行回数(10〜96)は少なくないが、山家1区方面のバスの運行回数(18)は少なく、不便な状況である。
福祉バス
 毎日コースと週1回コースが筑前山家付近まで通っているが、それ以遠の山家1区方面は周囲1回コースだけであり、利便性は低くなっている。
 
●公共公益施設へのアクセス
 路線バスのネットは、バス停から公共公益施設へのアクセスが300m以上離れている。他の地区と同様、特に総合保険福祉センターへ路線バスにより直近でアクセスすることができず、不便になっていると考えられる。
 
 郊外部西南地区と同様、路線バス、福祉バスは主要な道路を走り、一応サービスされている形態になっているが、山間部の集落に居住する高齢者、特に一人暮らし世帯に対し、シビルミニマム、福祉サービスの充実の観点から、生活交通確保などの対策が必要な地区と考えられる。
 
図表4−15 郊外部東地区の評価
  人口 高齢者人ロと割合 一人暮らし世帯 路線バス不便地区(バス停300m以上) 福祉バス不便地区(バス停300m以上) 路線バスの利便性が低い(運行回数) 福祉バスの利便性が低い(運行回数)
山家1区 90 32(36) 3 一部○ 一部○ 一部○
山家2区 112 25(22) 2 一部○
山家3区 483 61(13) 3 一部○ 一部○ 一部○
中央区 941 148(16) 27 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
山家6区 309 49(16) 11 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
山家7区 344 51(15) 6 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
山家8区 163 31(19) 2 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
山家9区 366 83(23) 6 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
天山 816 149(18) 29 一部○ 一部○
岡田 455 76(17) 9 一部○ 一部○ 一部○ 一部○
4079 705(17) 9        
注: 当地区は、路線バスと福祉バスの運行回数を個別に評価した。そのため図表4−14などとは表の構成が変わる。
 
(4)郊外部南部地区のバス交通の問題・課題
 当地区は、原田、筑紫駅を核とした面的な整備による住宅地を中心に形成された住宅地で、人口22,298人、高齢人口2,269人、一人暮らし426世帯が居住する地区である。
 路線バスのネットは、原田駅と筑紫駅とをつなぐ駅間ネット、筑紫駅と二日市(中心市街地)、山家方面ヘアクセスする駅フィーダーネットで構成されている。
 福祉バスは、両鉄道にはさまれた住宅地を循環する毎日コース1系統と周1回コース1系統で運行されている。
 
●バス停へのアクセス
路線バス
 原田駅を中心に鉄道に挟まれた住宅地の大半はアクセスが良いが、一部の地区(光が丘、若江、下見)は不便である。またバス路線がない地区(隅、西小田、馬市、城山、原田、筑紫野の一部)もみられる。
福祉バス
 路線バスとほぼ同様であるが、西小田、馬市の地区は福祉バスが運行されているため不便地区の範囲は少ない。
 
●利使性
路線バス
 原田駅と筑紫駅を結ぶ駅間ネットの利便性(運行回数30〜60回)は高いが、筑紫駅と山家方面のネットの利便性(10回)は低い。
福祉バス
 基本的には、毎日コースが広い範囲をカバーする形で走っているため、利便性は高いが、路線、福祉のいずれのバスも運行されていない地区一主に城山(一部)、原田(一部)の利便性は落ちるといえる。
 
●公共公益施設へのアクセス
 他の地区と同様、特に総合保険福祉センターへの路線バスによるアクセスが悪い。
 
図表4−16 郊外部南地区の評価
(拡大画面:57KB)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION