先行事例調査
国分寺市と東京経済大学の連携・協働について
1. 調査の概要
調査実施日 |
平成14年11月25日 |
回答者(敬称略) |
東京経済大学 |
浜野隆典(学長室広報課長) |
国分寺市 |
林和夫、古谷一(教育委員会生涯学習推進課) |
調査者 |
地方自治研究機構:平林、有馬、UFJ総合研究所:国府田 |
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下記特に、*は市のコメント。 |
2. 大学等と自治体との連携・協働事業の全体内容
現在、以下の地元自治体との生涯学習機会提供の面で連携・協働が行われている他、TAC(多摩アカデミック・コンソーシアム。5大学の協力機構。)を、東京経済大学、国際基督教大学、国立音楽大学、津田塾大学、武蔵野美術大学で組織化している。
全先行事例共通 の整理軸 |
東京経済大学と国分寺市間の 連携や協働事業 |
取組状況 |
市 |
大学 |
組織の 取組 |
個人の 取組 |
組織の 取組 |
個人の 取組 |
大学の・地域の施設開放 |
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○ |
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地域へのインターンシップ、実習、留学生等の受入 |
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○ |
生涯学習(公開講座、オープンカレッジ、シンポ・講演会その他) |
・市民大学講座 |
○ |
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○ |
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・市民サテライト・カレッジ |
○ |
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○ |
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・国分寺市委託特別科目聴講生制度 |
○ |
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○ |
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・葵友会(きゆうかい)オープンカレッジ |
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○ |
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・特別企画講義 |
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○ |
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市民参加型イベントの実施 |
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大学から・地域からの講師等派遣 |
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○ |
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地域の調査研究・事業への参加・協力 |
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○ |
相談・コンサルティング事業 |
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○ |
その他 |
・高校との連携(高校生向け授業聴講) |
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○ |
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3. 大学と市の連携・協働の経緯
1980年代はじめ(昭和56(1981)年頃)、市長が当大学学長に対して、本市内唯一の大学として、包括的な協力を要請し、大学がこれを受け協定を交わした。現在でも協定文書が保存されている。
昭和57(1982)年度には、「地域に開かれた大学づくりと、市民の学習意欲の啓発を目途に東京経済大学との共催事業」として第1回が開催されるに至った。
当初の名称は「市民大学校」で、9月から12月の期間の土曜日午後開催、講座は全11回の構成であった。
昭和59(1984)年度から、「一般コース」「専門コース」(全5回2コース)に分けて開催になった。
一方、昭和60(1985)年度からは「国分寺市委託東京経済大学特別科目聴講制度」が発足し、聴講生19人が参加した。
現行の「市民大学講座」の名称になったのは昭和61(1986)年度で、従来コースの他、「専門コースII」のワープロ講習も始まった。
平成14(2002)年度には、勤労世代を意識した公開講座として「第1回市民サテライト・カレッジ」を地元のJR国分寺駅の駅ビルに開講した。
4. 成功の要因
連携・協働事業の成功要因としては、大学が行政の信頼を獲得していることや、企画検討と確定をするに当たって緊密な連携が作られていることである。
実務的には、まず大学が次年度の企画案を検討立案し市行政サイドからは、市民の広範な参加を得る観点から修正意見や提案をする方式となっている。ややもすると、大学の企画提案は、豊富な法律や経済系の教員を活かした社会科学系の専門講座の企画に重点を置きがちになる。市行政と連携して事業を進めることは「女性を始めとする広範な市民各層の関心を捉えて参加規模を向上させる」企画づくりに効果を発揮している。
最近では、大学からの当初企画案が市行政からの提案によって、市民の広範な参加を得るために文化教養分野の講座テーマも織り交ぜたプログラムに改訂され、成果を達成している。
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