日本財団 図書館


4. 個別連携・協働事業
(1)IT講座
 平成12(2000)年度に、国の補助金によりIT講座を設けることになった。協定書を締結していた東海大学福岡短期大学に、協定書にそって協力をお願いした。平成13(2001)年度は福岡教育大学にも協定書に沿って協力をお願いした。
 
大学名 事業内容
東海大学
福岡短期大学
平成12(2000)年度、平成13(2001)年度実施。平成12(2000)年度については東海大学の単独実施。メディアラボで実施し、コースは12コース設定。受講者数は約423名。教材費・講師料込の一括委託で、約380万円の予算。
福岡教育大学 平成13(2001)年度実施。コースは17コース。内、高齢者コースを4コース、障害者コースを1コース設定。受講者は約560名。大学に障害者教育専攻があり、そこの学生がアシスタントとして参加している。アシスタントの身分はアルバイトで、アシスタントの採用は大学側の選考にもとづき、市が採用を行なう。障害者コースはアルバイトのアシスタントの他に、ボランティアの学生も含まれていた。
 
(2)施設開放
 協定書にそって、各大学で図書館・体育施設・講義室・会議室等を開放。それぞれ使用できる施設については市の広報に掲載しており、利用申し込みは各大学に直接申し込む。
 
大学名 開放施設 利用状況 課題
東海大学
福岡短期大学
図書館 学外27名、貸出冊数79冊 大学の立地状況が山の上にあること、門番が立っているため入りづらい印象があるためか。
グラウンド 36件(市内テニスサークル、商工会議所等)
メディアラボ 商工会議所主催のIT講習会で貸出
福岡教育大学 図書館 平成13年11月より貸出開始。1ヶ月約47名、100〜110冊の貸出 大学の立地状況は駅から3分ぐらいのところだが、大学構内が広く、図書館は一番奥まった所にあるためわかりづらい。
日本赤十字
九州国際看護大学
図書館 一般利用者2591名  
食堂 1日20〜30名が昼時に利用
セミナー室・会議室 現在のところ3件ほど利用
 
(3)出前講座
(1)現在の担当部署
 宗像市企画課(来年度以降は生涯学習課が担当予定)
 
(2)連携・協働事業の企画〜実施までの経緯
 平成10(1998)年から職員の出前講座を実施。平成13(2001)年度より協定書に沿って、大学の教員等の協力を得て、アカデミー版として大学の教員が講師となる出前講座を開設した。
 予算としては、年20件の実施予定で、印刷費・講師謝金を含めて約30万円の予算。謝金は1講座1万円でお願いしている。交通費として2,000円を受講者負担としている。平成14(2002)年度の実施状況は10講座を実施済み。
 
(3)事業の効果・評価、課題
 受講者の満足度は高いが、利用者が固定化されつつあり、多くの人に利用してもらえるようにするのが課題。また、現在利用者には講師の交通費のみを負担してもらっているが、今後は受益者負担の観点に立つと、教材の印刷費・講師謝金を利用者に負担してもらうかが課題。
 
(4)インターンシップ
(1)担当部署
・宗像市企画課
・各大学事務局
 
(2)連携・協働事業の企画〜実施までの経緯
大学の事務局を通じて、市の企画課に依頼される。その際に、学生の希望する部署についても連絡されるので、企画課としてはその意向に添う形で該当部署と調整して学生を受け入れている。
インターンシップ初日に簡単なオリエンテーションを行ない、それぞれ受入部署に配属される。仕事の内容は、市民のプライバシーに直接関わる部分以外は基本的に職員と同様の業務を行なってもらっている。
現在のところは、受入部署からも、市民からも苦情は受けていない。
 
(5)市職員派遣
(1)担当部署
 日本赤十字九州国際看護大学 総務課地域交流係
 
(2)連携・協働事業の企画〜実施までの経緯
 開学準備段階に、大学側からの要請により係長級の職員を一人派遣(平成10(1998)年4月〜平成13(2001)年3月)。平成13(2001)年4月から総務課地域交流係長として引き続き職員を一人派遣している。平成15(2003)年3月で任期が切れるが、その後の派遣については未定だが、大学が軌道に乗るまでは職員の派遣は必要ではないかと考えている。
 
(6)新入生オリエンテーション
市職員による出前講座の一環として、東海大学福岡短期大学で行っている。当初、大学からの要請により始まった。新入生オリエンテーションのテーマに従ってその担当部署の職員が派遣され行政について説明を行なっている。(平成13(2001)年度ゴミの出し方や消費者問題について等)
福岡教育大学、日本赤十字九州国際看護大学については、新入生オリエンテーションで「行政からのお知らせ」を配布してもらい、一人暮らしで必要な行政情報を知らせている。
 
(7)市職員の科目履修生制度
平成13(2001)年度に福岡教育大学、東海大学福岡短期大学に各一人ずつ後期に派遣、平成14(2002)年度も日本赤十字九州国際看護大学、福岡教育大学に各一人ずつ後期に派遣。
東海大学福岡短期大学においては、宗像市民に対して、受講料は通常の半額にしている。同様に宗像市職員が受講する場合も通常の半額にしている。
 
(8)地域交流
(1)担当部署
 日本赤十字九州国際看護大学
 
(2)連携・協働事業の企画〜実施までの経緯
 市民祭の一部として、市民祭の開催時期に合わせて学園祭を行なっている。市の行事の一部という形で学園祭が開催されている関係上、市職員が運営補助として学園祭に深く関わっている。開学したばかりで、学生や大学職員自体も学園祭のノウハウが蓄積されていないので、市の行事の一部として学園祭をやることは大学側にとってメリットがあると思われる。将来的には、当大学が他大学との交流が盛んになれば他大学の学生から学園祭のノウハウを学ぶ機会も出てくると思われる。
 
(9)学生ボランティア
福岡教育大学にはボランティア支援センターがあり、学生ボランティアの募集・登録を行なっている。しかし、ここで実際にボランティアを集めようとしても、あまり集まらない。むしろ、ボランティアに積極的な研究室に直接依頼した方がよく集まる。また、積極的に参加してくれる学生は別の場面でもボランティアをしていることが多い。
東海大学福岡短期大学では、短大という性格上、2年間という4年制よりもより制約された時間の中で様々なことを習得しなければならず、ボランティアを行なう時間的余裕が無い。
 
6. 今後の展開・課題
平成13(2001)年度に三大学シンポジウムを開催した際に、初めて市と三大学の事務局が一緒にプロジェクトを進めたが、このような連携・協働が今後ますます重要になってくると思われる
協議会等で様々な連携・協働について、話題には上るがなかなか実現できないのが現状にある。今後、様々な連携・協働案をどの様に実現させていくかが重要な課題となっており、現在模索中である。
大学と地域がどの様に結びつけていくかが今後の課題。
宗像市の市民だけでなく、宗像市周辺地域に対しても大学があるということを発信できていければと思う。
三大学の特色を生かし、学生の姿がまちの中で見えるまちづくりを目指したい。産官学連携や生涯学習等を展開させていきたい。







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