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ハンセン病−制圧活動
 設立当時より当財団の基本方針は、ハンセン病問題を独立した保健・医療問題として捉えるのではなく、各国における公衆衛生問題対策の一環として考え、その国の事情に沿った対策活動を支援することにありました。公衆衛生上の諸問題を解決していく最終的な責任は、その国の政府にあると考えているからです。ハンセン病の制圧をめざし、WHO、世界救らい団体連合(ILEP)、各国政府と協議を重ね、各国からの要請に基づき、現地の二一ズにあった協力を実施します。
 
 WHOは1991年5月、第44回世界保健総会で、2000年までに「公衆衛生上の問題としてのハンセン病を制圧する」という決議を満場一致で採択しました。*
 1994年WHOと当財団がハノイで共催した「ハンセン病制圧国際会議」の席上、日本財団は1974年以降継続しているWHOのハンセン病制圧への資金援助に加えて、1995年から1999年までの5年間に5,000万ドルをWHOに提供し、世界のハンセン病患者に治療薬MDTを無償で配布する計画を発表しました。これによリ、世界のハンセン病制圧活動に大きなはずみがつきました。
 
主要な蔓延国
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 *:公衆衛生上の問題としてのハンセン病「制圧」とは、各国において、患者数が人口1万人あたり1人以下である状態であると定義されています
 
 2000年末時点で、全世界的には患者数1万人に1人以下の目標は達成されましたが、国単位では未達成の国が主に6カ国(インド、ブラジル、ミャンマー、マダガスカル、ネパール、モザンビーク)残っています。2005年までに世界の全ての国で制圧目標を達成するために、各国政府、日本財団、ILEP、WHO、ノバルティス社、世界銀行などによる「ハンセン病制圧世界同盟」(グローバル・アライアンス)が1999年に結成され、上記6カ国を中心に協同して制圧活動を展開していくことが、合意されました。当財団は引き続き、各国のMDT供与体制の拡大強化を支援し、ハンセン病の制圧が確実に達成されるよう努力を続けています。
 
1995年〜1999年の間に日本財団はWHOを通じ、全世界で4,200万シート(5,000万ドル相当)のMDTの薬を配布しました
 
MDT治療後
 
日本財団の対WHOハンセン病対策支援実績
1974年〜1999年 1億3,300万ドル
2000年〜2005年 2,400万ドル
笹川記念保健協力財団のハンセン病対策支援実績
1974年〜2002年 8,000万ドル
 
最前線で診断、治療活動を続けている医師やヘルスーワーカー(保健従事者)のために作られた写真つきハンセン病図鑑
 
 
ハンセン病治療薬MDTは、少菌性(PB)、多菌性(MB)用の各々に成人用と小児用があり、4週間用の薬のシートで渡されます MDTは世界中どこの保健所でも無料で配られています
 
薬のシート







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