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c)自由目的
○基準となる人口指標の設定
 自由目的の発生交通量の基準となる人口指標として考えられるのは、常住人口と昼間人口が挙げられる。以下に、市区町村別に常住人口または昼間人口を横軸、自由目的発生交通量を縦軸にプロットし、相関関係を調べた。
 
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図 6−5−3   自由目的発生交通量と人口指標との関係(平成12年PT、市区町村ゾーンごと)
 
■ 相関係数は昼間人口の方が高くなっている。
■ 線から最もはずれているのは、大阪市北区・中央区ならびに神戸市中央区である。これらは常住人口に対しては自由目的発生量が実際に多め、昼間人口に対しては少なめになっている。なお、これらの特異値を外して再推計すると、常住人口ベースの方が相関は高くなる。
■ 上記の都心地区においては、常住人口に対して発生量が多い、すなわち集積があることによるポテンシャルが高いことが表現できる。一方、昼間人口に対して都心部で発生量が少なくなるのは、昼間人口の内訳が業務関係が多く、実際に自由トリップとして発生する割合が少ないことが挙げられる。
■ これらより、発生交通量モデルとしてアクセシビリティ(=分布モデルのログサム変数)と基準変数(人口指標)の線形回帰モデルを推定する際、アクセシビリティの符号条件を勘案すると、常住人口ベースのモデルの方が適切に発生交通量を表現出来ると考えられる。
■ よって、自由目的における発生交通量の基準となる人口指標は常住人口とする。
 
○モデル推定結果
 
表 6−5−4 発生交通量モデル推定結果(自由・全サンプル)
  パラメータ 標準誤差 t値 P値
常住人口 6.4659e−01 0.01 77.53 0.0000
就業従業比 1.4408e+04 614.66 23.441 0.0000
ログサム 1732.57 189.829 9.127 0.0000
  決定係数0.97556
 
■ 符号条件はアクセシビリティ(=ログサム)、常住人口、就業従業比(=従業人口/就業人口)ともプラスとなり、適切である。
■ 説明力の大きさを表すt値は、常住人口ならびに就業従業比で高い値を示している一方、アクセシビリティのt値も十分有意となっている。
 
d)業務目的
 業務目的の発生交通量は、当該ゾーンにおける従業人口に規定される部分が大きいと考えられ、基準とする人口指標は従業人口とし、従業人口とアクセシビリティ指標による発生交通量推定モデルを考える。
 
 モデル推定結果は以下の通りである。
 
表 6−5−5 発生交通量モデル推定結果(アクセシビリティあり・業務・全サンプル)
  パラメータ 標準誤差 t値 P値
従業人口 6.028e−01 0.01 96.558 0.0000
ログサム 6.972e−04 87.34 1.111 0.2679
定数項 2.598e+02 709.64 0.366 0.7147
    決定係数0.98962
 
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図 6−5−4   モデル推定結果と実際値との比較((左)アクセシビリティ指標あり、(右)なし)業務
 
■ 符号条件は従業人口・アクセシビリティ指標(ログサム変数)ともプラスとなり良好である。
■ 説明力を表すt値を見ると、従業人口のt値が極めて大きく、ログサムのt値は説明力がやや弱くなっている。
■ アクセシビリティ指標(ログサム)の有無による推定結果を見てもほとんど変化はなく、アクセシビリティ指標が業務目的の発生量に与える影響の有無は微妙なところである。しかし、目的地選択の結果として得られる業務目的集中交通量が次の発生交通量に影響を及ぼすと考えるのが自然であり、変数として残すこととする。







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