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b)通学(15歳以上)・登校(15歳未満)
■ 通学・登校目的の就学人口ベースの生成原単位は、年齢別に見た違いが特に見られない(また政策的にも重要ではない)ため、年齢カテゴリは行わず、性別のみでカテゴライズを行った。(なお、通学目的では、25歳以上の就学人口は極端にサンプル数が減少するため、年齢層別のカテゴライズは適当ではない)
■ その結果、男性が平成2年0.9491→平成12年0.9215、女性が同じく0.9590→0.9309と、女性の原単位の方が高く、また男女とも10年間で減少傾向となっていることが明らかとなった。この原因として、20〜24歳の生成原単位の減少が多いことが影響している。
 
表 6−4−2 生成原単位の比較(通学)
年次 男性 女性 性別計
S55 0.9713 0.9764 0.9737
H02 0.9491 0.9590 0.9538
H12 0.9215 0.9309 0.9260
 
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図 6−4−5   年齢別生成原単位(通学)
 
■ しかしながら、統計的には性による男女差は有意にならず、また年齢階層は、25歳以上のカテゴリの扱いが難しい(就学人口そのものが少ない)こと、量的に大部分を占める20歳以下のカテゴリでは殆ど有意差がないこと、就学人口当たりの生成原単位が将来変化する社会的要因が見あたらないことなどを勘案する必要がある。
■ また、分布交通量の予測の際には、通学目的(15歳以上)は国勢調査結果、登校目的(15歳未満)はPT調査結果から得られるそれぞれのOD分布を用いることから、15歳を境に生成交通量を分けておくことが必要である。
■ よって、通学・登校目的の将来の原単位は、「現況における年齢階層(15歳未満、15歳以上)・男女計における原単位のまま将来も推移する」と仮定する。
 
c)自由
■ 常住人口当たりの生成原単位は、男性が平成2年0.3565→平成12年0.4352,女性が同じく0.7796→平成12年0.8872と、女性が高く、また男女とも10年間で上昇傾向にある。
 
表 6−4−3 生成原単位の推移(自由目的)
年次 男性 女性 性別計
S55 0.9713 0.9764 0.9737
H02 0.9491 0.9590 0.9538
H12 0.9215 0.9309 0.9260
 
■ 年齢別に見た特徴としては、特に女性の30歳以上が自由トリップの発生が多くなっている。また、男性の60歳以上、ならびに女性の35歳以上において、平成2年からの10年間で、生成原単位が上昇しており、女性や高齢層を中心とした方の外出回数が増えていることが分かる。
 
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図 6−4−6   性別・年齢別生成原単位の推移(自由)
 
■ 免許の保有、非保有によっても大きく原単位が異なり、一般的に免許保有者の生成原単位が大きくなっている。
 
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図 6−4−7   性別・年齢別・免許保有別生成原単位(自由・H12年)
 
■ また、免許保有・非保有別に時系列変化を見ると、免許保有・非保有にかかわらず原単位が上昇している。
 
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図 6−4−8   年齢別・免許保有別生成原単位の推移(自由・男女計)
 
■ 就業者においては就業人口ベースの生成原単位、非就業者においては非就業人口(常住人口−就業人口)ベースの生成原単位を用いて、原単位の有意差を比較した。その結果、
■ 男女とも、就業者より非就業者の生成原単位が高くなっている。
■ いずれの属性においても、平成2年→12年で生成原単位は上昇している。
 
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図 6−4−9   就業・非就業における生成原単位の年次比較
 
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図 6−4−10   就業・非就業における生成原単位の免許有無による比較
 
■ 年齢階層別に、昭和55年から平成12年までの生成原単位の変化を見ると、20〜34歳の若年層においては原単位が単調減少、逆に35歳以上の中高齢層においては原単位が単調増加となっている。ただ、若年層の原単位の減少は主に55年→H2年において見られ、H2→12年での減少度は少ない。一方、中高齢者の外出増加が、直近10年でも顕著に見られる。
 
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図 6−4−11   自由目的生成原単位の時系列変化(20〜24歳、65〜69歳、全年齢)







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