(2)意見募集
平成14年5月下旬に鉄道事業者、市役所・町役場、各主要駅や行政施設等に「意見募集のチラシ」を置き、平成14年6月30日までの約1ヶ月間において442人からの意見が寄せられた。
募集期間: |
平成14年5月下旬〜6月30日(日) |
配布場所: |
各主要駅や行政施設等 |
募集内容: |
京阪神地域の公共交通(鉄道、軌道、新交通システム、バス)に関して、その抱える問題点、解決方策等についての具体的な意見、提案 |
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主な意見内容は、以下に取りまとめたとおりである。
・ 最も多く意見が寄せられたのは、「施設整備」であり、次に「旅客対応」「新線等」と続く。
・ 「施設整備」に関して最も多く意見が寄せられたのは、「駅施設(バリアフリー)」である。内容としては、駅のエレベーター・エスカレーターの設置や車イス対応の自動改札機設置等である。
・ 次に「施設整備」に関して意見が多く寄せられたのは、「車両(改良)」である。内容としては、座席のマナーを改善するためのシートの改良や専用車両の提案(携帯利用可能車両、高齢者専用車両)等である。
・ 「旅客対応」に関して最も多く意見が寄せられたのは、「案内(施設)」である。内容としては、案内表示の統一や案内表示の改良等である。
・ 「新線等」に関して最も多く意見が寄せられたのは、「新線建設」である。内容としては、中之島新線の延伸や公共交通不便地域の鉄道建設等である。
「輸送力」については、あまり多くの意見が寄せられていない。
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(3)利用者アンケート結果及び意見募集からみた利用者が望むサービス
アンケート及び意見募集を集計した結果より、利用者が以下の点を望んでいることが伺える。
a)運賃・カードの改善
運賃としては、乗り継ぎによる運賃割引の導入が最も望まれており、またカード付加機能としては乗車頻度による運賃割引の導入において要望が強い。ストアードフェアカードの導入により、切符を買う手間が省ける等の利便性が向上したことで、公共交通を利用する機会が増加したと回答した人が多かったことは、乗車券購入のシームレス化が利便性向上につながった好例ととらえることが出来る。これからの運賃・カードの改善としては、運賃制度の改善(連絡運輸の拡充など)や共通カード機能として乗車頻度による運賃割引など利用者の料金抵抗を軽減されることが要望されている。この実現手段として、例えば、ポストペイ方式(後払い方式)の導入等を一つの目的としたICカード化は有効な手段の一つとなりうる。
b)バリアフリー化の推進
回答者の約40%が、移動に困難さ、不便さを感じており、具体的な箇所については、乗降の多い駅があげられているが、特に「改札からホーム」を問題箇所としてあげられ、その改善の声が高いことを考えると、駅のバリアフリー化は決して高齢者・障害者だけの対策のみならず、誰もが利用しやすい施設として整備されることが必要であることがわかる。
c)シームレス化の推進
乗り継ぎについても回答者の約40%が不便と感じている。また、具体的な箇所については大阪市交通局本町や梅田など、水平距離が長い駅が上位にランクインされている。このことから、乗換のための水平移動の軽減(ムービングウオーク等)、更に可能な場合には、相直運転なども改善案として考えられる。
d)鉄道サービスの高度化
アクセス機能として駐輪場の設置を望む声が多く、またレンタサイクルの要望も多いことから、アクセス手段として自転車が重要視されていることがわかる。また、自転車を車両中に積み込める方式(サイクルトレイン)の要望も多く、鉄道と自転車の連携がニーズとして多いことが読みとれる。
付随サービスに関しては多様な意見が聞かれたが、女性専用車両、通勤指定席車両の要望が高いことから、通勤時の乗車環境の改善がニーズとしてあることが読みとれる。
また、スーパー・コンビニや銀行・郵便局が駅に併設されてほしいという要望が強いことから、日常利用されているこれらの施設を駅に併設して、駅に集客させることが鉄道需要喚起策の一つとして有効であると考えられる。
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