日本財団 図書館


(3)輻輳時間
 通航量の調査結果に基づき、全調査時間の通航量に対する各時間帯の通航量の割合を曜日別に算出した。
 荒川では、土曜日は9時台と15時台の2つの時間帯がピークとなり、ピークの時間帯では割合が概ね同程度である。日曜日は午前中から徐々に割合が増え、15時台をピークとなる。月曜日は10時台と15時台の2つの時間帯がピークとなり、ピークの時間帯では概ね同程度の割合であった。
 このように、荒川においては、土曜日と月曜日は9〜10時台が午前中のピーク時間、15〜17時が午後のピーク時間となり、5〜8時台と12〜14時台は比較的通航量の少ない時間と判断できる。荒川における全調査時間の通航量に対する各時間帯の通航量の割合を図−3.3.3に示す。
 
(拡大画面:34KB)
図−3.3.3 荒川における輻輳時間
 
 隅田川では、土曜日と日曜日の各時間帯の変化は概ね等しく、午前中から徐々に割合が増え、18時台がピークとなる。月曜日は午前中10時台がピークとなり、その後は徐々に割合が減るが、17時台から徐々に割合が増えてくる。
 このように、隅田川においては、土曜日と日曜日は夕方に向かうにつれて通航量が増える傾向に対して、月曜日は午前中に通航量のピークがあり、夕方にまた増えるという傾向であった。隅田川における全調査時間の通航量に対する各時間帯の通航量の割合を図−3.3.4に示す。
 
(拡大画面:31KB)
図−3.3.4 隅田川における輻輳時間
 
 荒川と隅田川における輻輳時間を整理すると、表−3.3.4に示すように午前は9〜10時台と午後は15時台と18時台が特に通航量の多い時間帯である。
 
表-3.3.4 各河川の輻輳時間
河川名 曜日 午前の輻輳時間 午後の輻輳時間
荒川   土曜日 9時台 15時台
日曜日 特になし 15時台
月曜日 10時台 15時台
隅田川   土曜日 特になし 18時台
日曜日 特になし 18時台
月曜日 10時台 18時台
 
(4)対面通航、追越通航
 荒川では、対面航過時の相互の離隔距離は水域幅にもよるが、15〜20m確保することを目標としている。ただし、新荒川大橋の橋梁中央部には橋脚が存在し、左側の橋脚間を航行しなくてはいけない。この場合は、対面通行や追越通航ができないため、潮流の向きに沿って、先に通航する船舶の優先順位を決めている。
 隅田川では、対面航過時の相互の離隔距離は水域幅にもよるが、15〜20m確保することを目標としている。太鼓橋は対面通航や追越通航ができないため、電話連絡により調整し、先に通航する船舶の優先順を決めている。
 
(5)海上衝突予防法と荒川における船舶の通航方法の対比
 「海上衝突予防法」と「荒川における船舶の通航方法」の対比結果を表−3.3.1に示す。「荒川における船舶の通航方法」は基本的には「海上衝突予防法」と相違がないが、以下の点に留意する必要がある。
(1)「灯火の出し方」
(2)「びょう泊、停泊、係留の禁止について」
(3)「特殊用務船について」
 
(1)及び(2)は「荒川における船舶の通航方法」と「海上衝突予防法」とで異なる部分がある。(3)は「海上衝突予防法」では定義されていない。
 
(拡大画面:261KB)
表−3.3.1 「海上衝突予防法」と「荒川における船舶の通航方法」の対比
 
(拡大画面:219KB)
表−3.3.1 「海上衝突予防法」と「荒川における船舶の通航方法」の対比







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION