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◆「対米協調」と「対米自主」の間
 現在、日本外交が追求しているのは、「対米協調」と「対米自主」の間の巧みなブレンドである。前者を基礎としつつも、日本政府は米国の単独行動主義がイラクから朝鮮半島に拡大されることを警戒している。また、拉致事件に起因する北朝鮮の政治体制への嫌悪感にもかかわらず、日朝首脳会談後のいくつかの世論調査に示されるように、日本国民の大多数もそのような行動方針を支持している。日朝首脳会談前にワシントンを訪問した小泉首相が、イラク攻撃との関連でブッシュ大統領に「耐えがたきを耐える」ことを要請したのも偶然ではないだろう。現在の段階で、そのような北朝鮮外交の成功は必ずしも保証されてはいない。しかし、失敗の後に大きな危機が待ち構えていることは確実である。
著者プロフィール
小此木 政夫 (おこのぎ まさお)
1945年生まれ。
慶應義塾大学大学院博士課程修了。
韓国・延世大学校留学、米国・ハワイ大学、ジョージワシントン大学客員研究員などを経て、現在、慶應義塾大学教授。
 
 
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