1991年7月2日 『世界週報』
輪郭が見え始めた北朝鮮の外交戦術
小此木政夫
北京で開催された第三回日朝国交正常化交渉は、予定を一日延期したが、五月二二日に一時的な中断状態(次回会談の日程を決めない「物別れ」)に陥った。
しかし、そのわずか五日後の二七日に、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府は国連加盟問題についての従来の立場を大きく変更し、突然、自らも国際連合に正式に加盟を申請するとの新しい方針を発表した。また、その一〇日後の六月七日には、国際原子力機関(IAEA)との保障措置(核査察)協定について、七月中に協定文の最終的な確定のための交渉を再開し、九月のIAEA理事会で承認を受け、協定に調印する意向を表明した。
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