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(2)延長保育に取り組んだ動機
 今から8年前のことです。2歳の子どもを持つお母さんが相談に来ました。念願だった県の高校教員試験に合格し教員として仕事をしたいが、勤務が遠隔地になりそうなため、午後6時までの保育では働けなくて困っているとのことでした。そのお母さんの自宅の前に公立保育園があるので相談したところ、他の保育園に当ってほしいと言われたそうです。
 子どもが2歳になって少し手が離れたから、念願だった教員としての仕事がどうしてもしたいという意欲と熱意が伝わってきて、当方としても何とかしてあげたいという気持ちになってきました。子どものことを考えると長時間保育することは決して好ましくないという思いもあり、当時は延長保育について疑問に感じていました。しかし、このお母さんの夢の実現を助けてあげたい、また安心して子どもが過ごせるように支援してあげたいと思うようになり、この際延長保育に取り組んでみようと思ったのが大きな動機でした。
 その後、職員との話し合いを行いましたが、家庭を持っている一部の職員からは勤務時間が遅くなることへの不安の声もありましたが、何とか同意を得るとともに、行政の後押しもあって平成7年4月から実施に踏み切ることになりました。








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