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4 延長・一時保育に取り組んで
栃木県宇都宮市・住吉保育園
園長 磐井 君枝
 
 宇都宮市は、昭和20年の終戦前までは、軍都として栄えた町です。昭和20年7月13日のB29の空襲により市の中心部が全焼し、ガレキの山となった街でしたが、敗戦後ゼロから出発し、中核市として平成8年4月1日より関東北部に復興した街です。現在、人口44万5千人で、保育園は公私立合わせて61か所あります。
はじめに
 当園は、栃木県宇都宮市住吉町にあり、定員は90名です。
 開設当時(昭和39年)は、公立5か所・私立5か所で、10園目の園として発足しました。当時は、国・県・市の補助金は0円で、法人設立は認められても、60人定員の最低基準を満たす建物と設備は設立寄附で整えて出発しました。共同募金が5万円補助をして下さったのを今でも覚えています。
 昭和40年代高度成長期に入り、毎年3か所4か所と保育園が増加していき、新設には補助体制が確立してきました。
 昭和39年頃は、乳児は3歳未満児9人に対し1人の保母、3歳以上児30人に対して1人の保母で保育をしていました。60人定員で園長1人・保母3人・給食1人・用務1人の計6人の職員で60人を保育し、朝7時30分から午後5時30分まで、朝夕合わせて2時間をサービス保育時間として10時間開園しましたが、午後5時30分までにお迎えのできない方がおりまして、いつも「すみません、すみません」と駆け込んで来ますが、子どもはとても淋しい思いをしておりました。夏は、日が長いのでよいのですが、9月、10月になると5時頃は暗くなるため、保母も心細い思いで1人2人のお迎えの遅い子の保育をしており、午後5時30分以降は園長が保育をしていました。そのために、「園長保育」とも言われていました。








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