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(4)一時保育あんなこと、こんなこと
[1] 一時保育のジプシー
 一時保育は月12日程度の利用日数となっており、本来の意味ではそれで十分に足りる日数と思われるのですが、ジプシーが発覚した例がありました。その方は、1か月の日数を3か所の保育園で利用していたようで、お着替えの衣類も十分に持たせないため、それぞれの保育園で園名入りの予備の肌着や靴下をお貸しして降園させると、それを身につけさせたまま別の園に預けるということで、「お宅の園名入りの肌着を着た子が、一時保育でうちに来ている」という話が、法人立の園長会で話題になったことがありました。保育料の計算は別として、1か月間、一時保育を実施している園を渡り歩くことも、自主事業になって、保護者対園の契約のなかでは可能なことであることを、園長先生方みんなで「う〜む」と頷きながら認識しました。
 
[2] 保護者と連絡がとれなくなった一時保育
 お引っ越しの荷物整理ということで、一時保育の要請があり、お受けしました。面接の時、お友達というのですが不自然な程、年が違い過ぎるおばさんと一緒に来たお母さんはとても頼りなく、一人では所定の手続きがとれそうもなく、そのおばさんのようなお友達がついてきた理由が分かりました。連絡先の電話番号を再度確認し、「今日はお母さん、この番号の所にいらっしゃるのですね」と念を押して預かったのですが、予定のお迎えの時間になっても来ません。電話をしても誰も出ません。いよいよ7時近くになり、時差出勤のあるお父さんの職場にかけてみたら、お引っ越しの予定もないし、一時保育に預けていたこともご存じなく、慌ててお迎えに来てくださいました。後で伺ったところ、そのおばさんとはどうもパチンコのお友達のようで、その日も一日中遊んでいたようでした。まあ、炎天下の車の中に閉じ込められることを考えれば、そのお母さんなりの子どもに対する愛情の変形なのかとも思いました。この他にも、2〜3日預けて保育料を払わず、引っ越してしまわれた方も一例だけあります。








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