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第3分科会
私の園の虐待防止対策
司会者  後藤 陽子(深谷市・深谷西保育園長)
提案者  張江 ツヤ(横浜市・平和台幼児園長)
助言者  才村  純(日本子ども家庭総合研究所ソーシャルワーク研究担当部長)
提案要旨
私の園の虐待防止対策
張江 ツヤ(横浜市・平和台幼児園長)
1.創立 昭和40年4月1日
2.定員 78名
 幼児  52名
 乳児  26名
3.職員配置
 園長     1名
 主任保育士  1名
 保育士    18名
 保育助手   3名
 調理系職員  3名
 警備員    3名
4.環境 
 東急東横線・JR 菊名駅 徒歩7分
 JR(新幹線) 新横浜駅 徒歩15分
 新横浜駅の裏手の小高い静かで緑の多い住宅地。
5.虐待児とのかかわり
 平成11年4月、B子(4か月の乳児)が、入所してきた。
 父親は、出版社勤務で、仕事柄帰宅が遅いこと・不景気で収入も少なくなったので、母親も働くことにしたというのが入所理由であった。
 兄であるA男(2歳の男児)は、措置をうけることが出来なかったが、母親の妹が、保育士をしていたが、現在は妊娠のため仕事を止め、出産の準備をしているので、保育はその妹に依頼してあるということで、母親・妹・そして二人の子ども(A男・B子)との面接であった。
 しかし、6月頃から母親のA男に対する虐待が激しくなったこと・妹が、出産が近いために保育を続けることが出来ないということで、福祉事務所から緊急入所という連絡を受けた。
 7月3歳児になったA男は、そのような形で入所してきたが、落ち着きが無く・乱暴で、友達に対して訳もなく殴る・注意されると急に脅え、奇声を発して走り回るという状態であった。
 母親は「現在、病院に通っているが、ストレスに依るヒステリー性の痙攣があり、痙攣が10分以上続くと死亡することもあるので、病院に連絡してほしい。」と病院の電話番号を渡された。
 福祉事務所に相談をしてみたが、結論はなく、現在に至っている。
6.虐待に対しての保護者とのかかわり
○父親は、規則正しい生活をして、母親に対して生活の協力をする。
 (現在は、ほとんど父親が朝夕とも通園の世話をしている。)
○母親は、定期的に児童相談所へ行き、A男と共にカウンセリングしている。
○両親の仕事とは関係なく
 平日 7時〜19時の12時間
 土曜日 7時〜18時の11時間
 保育園で保育をしている。
○子どもの状態を細かく連絡しあい、問題解決をするよう努力をしていく。
○A男は、現在は4歳児として在園しているが、痙攣も無く、情緒面も大分落ち着いており、基本的な生活習慣も身に付き始めた。
 しかし、妹であるB子は、2歳児になり、行動も活発になるにしたがって、母親の虐待の後もみられ、注意をしている。
7.母親の性格とこれからの対応
(性格)
○自我が強く、積極的で、興味のある物には、前後の見境がきかなく突っ走る。
○子どもを大声で怒鳴る。(機関銃型)
○子どもを抱きしめることが無い。
○食事を作ることが嫌い。
(対応)
○理屈ぬきに子どもを抱きしめるよう心掛けさせる。
○子どもは親の思うようにならないということから始めていかなくてはならない。
○組の担任に任せずに、園長自身が、話し相手として中に入るよう心掛け、担任の保育士との連絡を密にとる。
○母親とは常に連絡をとり、母親の話し相手となり、母親自身が、「子育てとは楽しいものなのだ。」と思うように心を育てる。








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