日本財団 図書館


「剣道修行を通じて感じたこと、学んだこと」
z0021_01.jpg
東京都中野区
東京修道館
中学二年生
井上裕太
 
 僕が剣道を始めたのは小学校を卒業し、中学一年生になってからです。学校の部活動の剣道部に入りました。中学まで違うスポーツをしていて剣道を経験したことのない僕が、何故、剣道を始めたのかというと、父さん・祖父が剣道経験者であるのがきっかけでした。昔から父さんに「剣道をやりなさい」と言われていて、僕は、それを言われる度に「あんなの絶対にやらないよ!」と言っていました。だけど、剣道を始めた今、何故、昔から始めなかったのかが不思議でたまりません。小さい頃から始めていればもっとたくさんのことを剣道から学べたかもしれなかったので少し後悔しています。でも、剣道を始めてから一年半で感じたことや学んだことがあります。それは次のようなことです。
 「克己」という言葉。この言葉は、修道館道場の壁に貼られている言葉です。意味は、
「己に勝つこと」・怠け心の自分に勝つこと・意志の力で自分の衝動、欲望、感情などを抑える」
です。僕は、その言葉の大切さを剣道の修行から学んだ気がします。剣道修行中はもちろん日頃の生活の中でも大切なことだと思います。学校行事の10キロマラソンを走っている時もういいやと思ったことがあります。でも、「克己」という言葉を思い出して、あきらめず走って良い成績を出せました。
 その次には、「先手必勝」です。剣道では、相手が打ち込んでくる前に自分が先に打ち込んで勝利を得ることが分かりました。これから自分が大きくなってからの生活も先の先を取って進んでいきたいと思っています。
 次に、僕が剣道をやっている時に思うことは、「忍耐」ということです。どんな苦しいことがあっても耐え忍ぶということです。学校の部活動の合宿中、本当にツライ時がありました。その時、ここが忍耐だと思い、やり通しました。
 次に感じたことは、寒中・暑中稽古についてです。ある寒い朝、部活動の寒中稽古があるのでねむい中早起きをして稽古をした日が何日かありました。稽古をする前は、やだな〜と思っていたけど、稽古後は、サッパリしてその後の授業も集中できて良かったと思います。厳しい条件の中で稽古をすることで心身を鍛え、その積み重ねで剣道の上達ができて人としての成長ができるような気がします。
 次は、剣道の構えについて。正しい姿勢と相手を見る目、正しい打ち込み、正しい心が必要だと思います。
 僕は、今まで書いたように、良い道を選んだと思っています。剣の道は人の道と考えることがなんとなく分かったような気がします。まだ、剣道からたくさん学べることがあると思います。だから、これからの修行でもっとたくさんのことを学びたいと思います。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION