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「一本の面が僕の目標」
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東京都足立区
思斉会
小学五年生
石塚敦己
 
 僕が剣道修業を通じて感じて学んだ事はたくさんあります。あこがれの防具を付けて始めてのけいこで感じたことは打たれると痛いんだなぁ。と感じたことです。特に先生の面は力強くすごく痛いです。初めの頃はやめてしまいたいと思う時もありました。それでもけいこを続けていくうちに楽しくなり今では剣道無しの生活は考えられません。
 僕には目標やライバルとしている人がたくさんいます。そのためにけいこを重ね動きも技も早くなってきたと思うのですが、早くなればなるほど先生も早くなり打たれる数も多くなっているように感じます。もっともっとけいこを重ね先生とのけいこできれいな面を一本でもとるのが僕の目標です。中学生の先輩で剣道も強く勉強でも一位になった先輩がいます。先生は剣道できたえられる気合と集中力は勉強にも役立つといつも言っております。僕は今は勉強が苦手ですが中学生になったら勉強も頑張らなくてはいけないと思いました。また高校生の先輩で去年大きな大会に出場した先輩もいます。とてもやさしく剣道もよく教えてくれます。僕が大きくなったら先輩が小手をあげると約束をしてくれました。先輩からもらう物は新しい物よりずっとうれしく、僕も後輩から同じように思われる先輩になりたいと思います。
 先生は時々ためになる話をしてくれます。ある時中国のモッケイの話をしてくださいました。すごく感動する話しでした。先生は気合、平常心、心技体と言う言葉をよくおっしゃいます。モッケイは、その全てを身に付けたんだなと思いました。僕はまだまだ未熟なので気合だけでもと、いつも心がけております。みなさんは試合はもちろん、けいこの時も気合を入れて練習していますか?けいこでも面打ち小手面どんな時でも試合だと思い十分に気合を入れけいこしなさいといつも先生は言っております。僕も心がけてけいこをしているのですが、気合が入り調子の良い時はたまに手本になることもありますが、時々手をぬいてしまうと必ずと言っていいほど注意されます。生徒もいっぱいいるのに一人一人よく見てくださっているんだなぁと思いました。
 去年の試合で思斉会が主催した招待試合があり、先生方も試合二週間前ぐらいのけいこからきびしくなり少し恐かった時もありました。僕たちはなにをしなければいけないかもわかっていました。それなのに僕は試合一週間前公園で左手くびをけがしてしまい接骨院に行き見てもらったら全治二週間と言われ目の前が真暗になりました。両親に怒られ先生にも怒られるかな?とびくびくしながら包帯のうでを見せた時僕の体の事を心配してくださり少し気持ちもらくになりました。でもどうしても試合に出たく病院の先生に負けてもいいから出させて下さい。とたのんだら負けるつもりなら治すことは、出来無い本当に出たいなら約束がある。勝つつもりでいどみ負けても絶対ケガのせいにしては、いけない、そして試合が終ったら一週間は、けいこをしてはいけない、と言われました。それから毎日病院に通い前日まで安静にしていました。そして当日、病院は休みなのに僕のために朝早く開けて下さりテーピングをしてくれました。これで大丈夫、あとは病院まで聞こえる気合を出せば絶対に勝てる!と勇気づけてくれました。
 そして東京武道館に向い試合を行いました。結果は五年生個人の部、団体の部共に優勝することが出来ました。感謝と喜びで胸がいっぱいでした。いままで自分だけのために強くなりたいと思っていました。が、先生、家族、先輩、友人の愛情や熱意にささえられ今の自分があるんだなぁ。と剣道をやってきてつくづく感じました。その人達のためにももっともっと強くなりたいと思いました。これからも剣道を続け色々な事を学び立派な人になりたいです。








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