日本財団 図書館


3-6. 三大湾、瀬戸内海のほかに、一元的管理をするのが望ましいと考えられる半閉鎖性海域が他にもあると考えられる場合、具体的な湾の名前を下欄にお示しください。
地域区分 一元的管理が必要と考えられる湾名
北海道 内浦湾(4)、噴火湾(3)、サロマ湖、函館
東北 陸奥湾(11)、仙台湾(7)、松島湾
北陸・下越 富山湾(7)、若狭湾(3)、七尾湾(2)、敦賀湾、小浜湾、中海、宮津湾
東海・紀伊 伊勢湾 & 三河湾(7)、駿河湾(6)、相模湾(2)、渥美湾、尾鷲湾、あご湾、
浜名湖、琵琶湖
九州・四国 有明海(47)、博多湾(2)、八代海(6)、島原湾(2)、大村湾(6)、不知火海(3)、関
門海峡(3)、鹿児島湾(6)、五島ー男女群島ー長崎半島、豊後水道、宿毛湾
沖縄 中城湾、本島東部久島勝連半島に囲まれた海域、沖縄本島周辺海域、
金武湾
<分析>
1)三大湾、瀬戸内海のほかに一元的管理をするのが望ましい半閉鎖性海域については、諫早湾問題が話題になっていた時期でもあったので、「有明海」を挙げる回答者が多数に上ったのは当然の帰結といえよう。
2)その他5件以上の指摘があったのは、「陸奥湾」、「仙台湾」、「富山湾」、「駿河湾」、「八代海」、「大村湾」、「鹿児島湾」である。
3-7. 沿岸域の管理にあたって、ミチゲーションの考え方(開発利用の環境影響を回避、最小限化、代償措置を講じることを基本とする考え方)を導入すべきかどうかについて、どのようにお考えになりますか?
(該当のものに○印。複数可。)
  全体  A B C D E F H
i)導入する必要がある。 150 38 34 11 18 10 29 10
ii)導入する必要はない。 11 4 1     1 4 1
iii)わからない。 9 3 1 1 1 1   2
合計(N) 170 45 36 12 19 12 33 13
<分析>
1)沿岸域の管理にあたって、ミチゲーションの考え方を導入すべきかどうかについては、i)「導入必要」の声が150(88.2%)と圧倒的で、ii)「必要ない」は11(6.5%)と極めて少数派となった。
2)次の設問で具体的な導入のイメージを示したこともあって、高い支持率になったとも解釈される。
i)導入する必要がある。
→導入の方法としてはどのようなものが考えられますか?
  全体 A B C D E F H
イ)すべての海洋関連事業を対象に、全面的に取り入れるべきである。 49(32.9%) 17 11 4 7 1 5 4
ロ)一定規模以上の事業に対して、ただちに取り入れるようにすべきである。 36(24.2%) 13 5 2 5 1 7 3
ハ)ケースバイケースで取り入れるかどうか決めるのが良い。 25(16.8%) 5 9 2 1 1 6 1
二)一定の猶予期間を条件に、一定規模以上の事業を対象に取り入れるべきである。 28(18.8%) 2 7 3 4 3 8 1
ホ)一定の猶予期間を条件に、一定規模以上の事業を対象に、ケースバイケースで、取り入れるかどうか決めるのが良い。 11(7.4%) 2 1   1 3 3 1
合計(N) 149 39 33 11 18 9 29 10
<分析>
1)導入する必要があるという回答の中では、イ)「全面導入」が49(32.9%)で第1位、次いでロ)「一定規模以上の事業に直ちに導入」が36(24.2%)と積極的に導入すべきという意見が上位を占めた。併せてイ)「全面導入」+ロ)「一定規模以上の事業に直ちに導入」=85(57.0%)である。
 しかしながら、一方でニ)「一定の猶予期間を条件に、一定規模以上の事業に適用」28(18.8%)、ハ)「ケースバイケースで導入」25(16.8%)、ホ)「一定の猶予期間を条件に、一定規模以上の事業を対象に、ケースバイケースで導入」11(7.4%)と条件付き導入賛成が併せて4割を超えている。
2)さらに、グループ別に見ると、<B:団体役員>17(51.5%)、<E:地方自治体>7(77.7%)、<F:産業界>14(58.6%)では条件付導入賛成が50%を超えており、ミチゲーションの考え方を前向きに評価しつつも、実際の導入には、さらに検討を要するという考え方が根強いことが伺われる。
ii)導入する必要はない。
→その理由としてはどのようなものが考えられますか?
  全体 A B C D E F H
イ)時期尚早であるから。 1           1  
ロ)現行の制度で充分環境修復は可能であるから。 1           1  
ハ)開発利用のインセンティヴを逆に阻害するから。                
二)開発の免罪符として悪用されかねないから。 6 3 1       1 1
ホ)事業の円滑かっ効率的な実施を阻害しかねないから。 1         1    
へ)代償措置の効果判定が困難であるから。 5   1       3 1
ト)チ)その他 2 1         1  
合計(N) 16 4 2     1 7 2
<分析>
 ミチゲーションを導入する必要がないとするのは極めて少数意見であるが、ミチゲーション導入反対の根拠としてあげているニ)「開発の免罪符に悪用されかねないから」、ヘ)「代償措置の効果判定が困難だから」という理由は条件付き賛成者の多くも共有する認識と思われる。ミチゲーション論議で必ず提示される指摘であるので、ミチゲーション導入論者はこの少数意見の指摘にも真摯に応えていく必要があろう。
*設問3-7. ii)でト)、チ)「その他」を選択された場合、導入する必要がないと考えられる理由についてご記入ください。
グループ
A
・ 開発と環境とを対立概念として、捉えるべきではない。
F
・ 沿岸域の管理の理念が示されていない。共通認識となっていない。
*設問3-7.についてのご意見、コメントをご自由にご記入ください。
グループ
A
・ 現状では、ミチゲーションが開発の免罪符となることを危惧する。導入しないよりもした方がbetterとは思うが。
・ ミチゲーションは施行前後の効果と費用、その手法の適否、規模等が焦点となるので、計画と実施との整合性を2〜3年ごとに判断して適切な手法に改善していくことが、肝要である。このためモニタリングを入念に行うことが望ましい。
・ アメリカのミチゲーションの理念をそのまま日本に適用するには、社会条件、土地利用状況が異なるので困難である。しかし、所謂「日本型ミチゲーション」と言われるものは、免罪符のような部分が目立つので、根本的な議論が必要である。どこかの開発の代償にどこかの開発の禁止をすることになる場合には、私権の抑制なども含めて事実上どうするのかがまったく議論されているとは言えない。
・ 代償ミチゲーションの場合、わが国では「ミチゲーションバンク制度」を整えておかないと、かなりの混乱が起きることが想定されるので、バンクを確保するための猶予期間が必要である。
・ 沿岸域の管理を本格的に行うならば、ミチゲーションというような考え方ではなく、それぞれの沿岸域がどうあるべきか、沿岸域の保全と開発利用に関するマスタープランを立て、これに基づいた施策を行っていくことが必要ではないかと思う。
・ ミチゲーションは必要だが、開発の不十分な免罪符にしてはならない。完全なミチゲーションは不可能という認識に基づいて、どうしても開発が必要な場合、最低限のミチゲーションを課すべきである。
・ 話としては導入すべきである。しかし、現実的には代替地が確保できていないのが現実である。また、予算的にも、単年度予算が多く、ミチゲーションについては、予算の付け方から考え直すべきである。
・ 保全すべき海域をこれ以上の開発・利用から守らないと取り返しがつかなくなる。
・ 環境アセスメントの実施を適切に行っておくことが前提。即ちアセスメントの過程でミチゲーションの可能性は明らかとなると思います。但し3-7設問、「代償措置」については基本的には容認できない。
・ ケースバイケースの対応ほど政治的配慮とかで特例がまかり通り、結果として環境悪化を招く開発の許可が出てしまう場合が多い。ケースバイケースの対応は認めるべきではない。
・ ミチゲーションの効果そのものが良く分からないところがある。しかし、大規模なものについては何らかの形で開発のコストを大きくすることが、乱開発の抑止につながる。ミチゲーションはそのような消極効果がむしろ重大かもしれない。
・ ミチゲーション導入にあたっては海でないと立地出来ない社会資本と海でなくとも成立し得るものの区分を厳格にやることが不可欠。(有資格、無資格の区分。)一律にやると日本では港湾も漁港も出来なくなって国民生活は破綻する。
B
・ 沿岸域の開発にあたって、代償措置を講じる必要があるかどうかは、ケースバイケースであり、全ての事業にミチゲーションの考え方を導入する必要はない。
・ 環境、生物、生態系を考える時、当然。(今後は、公共事業は、環境回復(修復)を中心に展開すべきである。)
・ 「ミチゲーション」という概念は、現時点では明確に限定化されていない。しかし沿岸利用に関し既に漁業補償(これもミチゲーションの一形態と考えられる)や藻場造成などの措置が講じられている。
・ 開発による効果が少ないまたは無い場合は、開発を中止することはもちろんであるが、有明海における事例をみても明らかなように我が国の評価レベル(社会、経済、環境、科学等)が適正であるかどうかが問題。
・ 有明海は特異な生態系を持っており、3大湾などとは別の視点での対応が必要。(生態系の保存という視点が重要。)
・ 前記3−4(i)を回答)および3−5(iv)を回答)は現状維持どころか回復が必要であるため、それ以外で導入する。
・ 米国型のミチゲーションは日本では無理。それではどのようなミチゲーションを日本型で行うのか、討議合意が先ず必要。
・ 環境影響評価を客観的に行う仕組みを先ず作る必要がある。と同時に日本の沿岸域に適したミチゲーションの方法を早急に確立する必要がある。
・ 海洋利用とそれに伴う環境影響については現状では正確に予測することは不可能であり、ミチゲーションの考え方を巌格に導入すれば、海洋における経済活動を阻害することに繋がりかねない。従って、現状ででき得る限りの環境アセスメントを行った上で、個々の事業について継続した環境影響の評価を行い、不都合があれば中止・改善ができる道を用意する程度が妥当と考える。
C
・ ミチゲーションは主にアメリカで実施されていると承知しているが、[1]自然環境を変えることにはなるので、環境保全に役立つと言えるのか、[2]沿岸域の広さが限られており、利用が輻輳している我が国においてどのような手法を取り得るのかなどの議論があり、現段階での導入の是非について論ずるのは困難である。
・ ミチゲーションが形式的な免罪符とならぬよう充分な監視が必要。
・ ミチゲーションは主にアメリカで実施され一定の成果を挙げているとは聞いているものの、仮にわが国にその概念を導入するとした場合、[1]いずれにしても自然を改変することになり環境保全に本当に役立つのか、[2]海岸線が限られ利用が輻輳するわが国においてどのような手法があり得るのか等について議論があり、現段階において導入の是非の方向付けは難しい。
・ 考え方の導入については、ある程度のリードタイムが必要であると考える。
D
・ ミチゲーションの考え方の定義によって回答が異なるので、この問に答えることはできない。例えば、開発利用の環境影響を100%回避することは不可能であり、導入できないと考えます。
・ 日本型ミチゲーションの確立、評価手法、基準の確立が必要。
・ 保護することを主体としたフランスの考え方も重要である。ナショナルトラスト的な管理。そして市民、市町村、企業とのパートナーシップが可能な形態を取りこんだものが必要。基本的にはミチゲーションが導入されていること。
・ ミチゲーションの内容も様々である。公開で論議できる性質のものとする必要がある。
E
・ 日本においては米国のような代償措置は困難と思われる為、緩やかな制度設計が必要と考えます。
F
・ ミチゲーションの導入には、社会的に影響度の高い地域から行い、順次その影響度合いによって、拡大する必要があると考えます。
・ 沿岸域の開発は何らかの意味で環境に影響を及ぼす。環境への影響即開発不可では、沿岸域の高度利用、改善は進まない。ミチゲーションによる解決も、沿岸域管理の一つの選択肢として考えておくべきと思われる。但しミチゲーションの効果についての評価の仕組み(第三者による公正な評価)には工夫が必要である。
・ 規模の大小にかかわらず開発等の行為は、自然になんらかの影響を与えるものであります。従って、それぞれの開発行為に対して影響評価を行い、ミチゲーションの導入を検討すべきである。
・ ミチゲーションにより再生すべき対象か、明確でない場合は効果がない。
・ i)ニ)を適当としたが、その理由は、1.沿岸域は生態系が複雑で、陸・海相互の影響範囲も広範囲に及ぶことから、一定規模以上の事業は対象とすべきである。2.但し、一定の猶予期間を置くことについては、現在の技術で未だに不明確な現象もあるのでこれらについては、早急に研究開発を進めて解決すべきであると考えた。
・ 1)国家が主導して、地元と協議の上で100年の計の基に沿岸域を、水域(水質、海象、気象、地形など含む)、気候、生態の類似性、社会的条件、文化の類似性を考慮したゾーニングを行った上で、環境保存エリア(沿岸域の開発を行わない水域)、環境修復エリア(かつての豊かな自然を取り戻す水域)、開発整備エリア(港湾域を中心とした、経済活動に必要な水域)に3分し、計画的に環境修復を行う。管理はカリフォルニア沿岸委員会(CCC)に類する委員会を創設して管理する。費用は今後発生する開発事業費用、税金(環境税を含む)、漁業保証費用などを核とした環境修復ファンドによる。2)ミチゲーションといっても、今後の開発物件が少ないので、わが国の沿岸環境再生には、「修復」が前提となる。3)1)に述べたゾーニングに時間を必要とするので、3−7i)ホ)に記述されているような「一定の猶予期間」を必要とする。
・ 規模やスケールで区別することは難しい。環境影響評価に統一された考え方の確立が必要。
・ 技術的に問題もあると思うが、試行すべきである。
・ 各種事業や環境の性格によって、また事業主体によってケースバイケースで判断されるべきである。
H
・ ミチゲーションについての議論をより一層深める必要があり、現段階では判断できない。
3−8. 沿岸域管理を総合的に推進するために、行政機関、試験研究機関はもちろんのこと、地元関係団体(漁業協同組合、観光協会、民宿組合、その他)や、さらには関係のNPO(自然を守る会、その他)など、すべての関係者(stakeholders)と協議すべきであるといわれていますが、これについてどのようにお考えになりますか? (該当のものに○印)
  全体 A B C D E F H
i)広く市民レベルにまで含めたすべての関係者を、参加させるべきである。 77(45.6%) 24 15 3 7 7 14 7
ii)広く参加を求めるとしても強い関係を有しない者については、必要に応じて参考意見を求める程度でよい。 54(32.0%) 9 13 7 8 2 12 3
iii)強い関係を有しない者は、参加しなくてよい。 4(2.4%)   2   1   1  
iv)地域の事情や焦点となる課題に応じてケースバイケースで処理すればよい。 32(18.9%) 9 6 4 4 1 5 3
v)わからない。 2(1.2%)         1 1  
合計(N) 169 42 36 14 20 11 33 13
z1097_01.jpg
<分析>
1)沿岸域管理を総合的に推進するため、すべての関係者と協議すべきかについては、i)「全ての関係者を参加させるべき」が77(45.6%)、次いでii)「強い関係を有しない者については必要に応じて参考意見を求める」が54(32.0%)となっている。
2)グループ別に見ると、<A:有識者>24(57.1%)、<E:地方自治体>7(63.6%)、<H:報道・シンクタンク>7(53.8%)では、i)「全ての関係者を参加させるべき」が過半数を占めており、特に、市民レベルを含むすべての関係者と接する立場にある地方自治体グループの支持率の高さが注目される。他方、<C:中央官庁>7(50.0%)、<D:研究者>8(40.0%)と両グループではii)「必要に応じて参考意見を求める」がトップを占めている。また、<B:団体役員>と、<F:産業界>では、i)「全ての関係者を参加させるべき」とii)「強い関係を有しない者については必要に応じて参考意見を求める」の差が15:13、14:12と接近している。これらの特徴は、それぞれの属性を反映していると見ることができる。
3)iv)「ケースバイケースで処理」も32(18.9%)あり、関係者の意見を反映させる仕組みを実際に作り上げるにはさらに踏み込んだ議論が必要となろう。しかし、iii)「強い関係を有しない者は、参加しなくてよい」は4(2.4%)にすぎず、沿岸域総合管理には何らかの形でより広い関係者の参加を実現すべきという考え方が浸透してきていることが伺われる。
*設問3−8. についてのご意見、コメントをご自由にご記入ください。
グループ
A
・ 一概にどこまで誰を参加せるべきかは判断できない。ケースバイケースで、できるだけ広く参加を求めることが望ましいが、強制参加は意味がない。
・ 沿岸域の管理に市民の参加を促すことは、国民個人々の海洋への関心という海洋国家として最も基本的条件を整備する上で極めて重要と考える。
・ 何もしないことが自然保護との考え方を排除する合意のルール作りが重要。
・ 強い関係者とは何か。単なる利益代表者でしかなく、自己の利益に反することの多い環境問題管理体制には寧ろ入るべきでない。全ての市民は次世代の環境整備に義務を持つので、討議に参加すべきである。
・ i)を選択したが、但し単なる意見収集ではなく、意思決定に関わらせ、管理責任を分担することが重要。そうでなければ、権利の主張の仕合となる。
・ 広く市民まで参加を拡大することは良い意味で自分たちの海であるという意識が高まり、海への理解が深まり、結果として海への取り組みを国民レベルで真剣に考えることに繋がる。
・ 開発側と漁業者の立場も理解した上で、環境保全を冷静に訴えられる市民が、日本に「遍く」存在するでしょうか?
・ 建前としては、i)広く市民レベルまでとなろうが、誰でも声を掛けるというよりも、自分で強い参加意識を持っているStakeholder(個人・組織とも)とすべきではないか。
・ [1]計画説明を多くの市民に徹底的にやること。(計画の大衆化。)[2]賛否が分かれたときの第三者的判断を下す権限(一種の裁判所)を持つ組織を持つこと。(市民は誰でも議論を聞ける。)この二つが成立する社会でないとミチゲーションは難しい。
・ 基本的には開かれた場で議論されるべきである。行政が放射状に意見聴取して判断する時代は終わっている。特に環境など、専門知識をもとに判断する分野においては、そのベースが無い人が判断を下すことは危険ですらある。一方で、特に閉鎖性の強い地域や、利害が激しく錯綜している地域においては、公的な場での発言によって、その後に嫌がらせなどの不当な行為の被害者になる例もある。そのため、発言者の安全確保の問題が生じる。
B
・ 説明責任の重要性は益々高くなってきており、publicとinvolvementなど様々な形態の住民参加を進めることが必要である。ただその場合、同時に「時間管理」の概念も導入すべきである。
・ 地域住民などが意見を述べる機会を意思決定プロセスの中に設けるべきと考える。但し、利権屋などの暗躍を許さない透明性あるルール作り、少数のエゴに過剰に振り回されない工夫が必要である。(研究者などからなる第3者機関の活用など。)
・ 地域の事情や焦点となる課題に応じてケースバイケースで処理すれば良い。
・ 沿岸域管理について広く関係者の意見を聞くことは必要と考えますが、全ての関係者と協議を行うことは、事業の実施を遅らせるだけであり、協議を行う範囲は強い関係を有する者に止めるべきと考える。
・ 当然i)、それを義務付けるべきだと思う。
・ 原則、広く関係者を参加させるべきではあると考えるが、“強い関係を有する”ものは近視眼的な意見に陥り、“強い関係を有しない”ものは理想論を強調する傾向が強いと想像する。このため、わが国が提案する海洋管理の基本理念に基づいて、議論を公平に判断し裁定する人間(コーディネーター?)を養成し参加させる等の対策が必要ではないか。
・ 「市民参加」というのは行き過ぎのように思われる。自治体(行政機関)で十分ではないか。
・ 当然である。(特に海洋では、漁業者をはじめ、地域住民の参加無しには効果的、持続的な推進はできない。)
・ 関係者の幅を広げるとマイナスが生じる。
C
・ できるだけ広い関係者を対象とすることが望ましいが、個々の課題等によりその範囲は異なってくるものと考える。
・ ”全ての関係者と協議”は事実上不可能。情報公開と意見聴取or公聴会などで意見を汲み取るようにすべき。
・ 広い参加は必要であるが、利権屋、団体屋、暴力団等の浸透して警戒すべきである。性善説のみには拠れない難しい所。
・ 全ての関係者を参加させることが理想であるが、現実的には難しい点が多々あると思われるので、参加の程度にはある程度の差を付けざるを得ないと思う。
・ 今後仮に、沿岸域管理を政策として推進するとした場合、他の政策と同様に市民参加を考えることは重要であると思われるが、沿岸域管理の概念自体が明確でない現段階においては、ケースバーケースとしか言いようがない。3−9については、既存の制度の運用または拡充でも同様の効果を得られる可能性もあり、先ずその検証が必要であると考える。
D
・ 環境、利用、開発等、問題の所在によって異なるかもしれないが、出来るだけ市民参加型とすべき。
・ 原則的には全てを公開すべき。但し、「全ての関係者」の参加は困難。
・ ガバナンスによる管理・運営が求められる。核となる母体がないと、活動できない。
・ 地域ごとに住民意識に違いがある。最初は様々な場所で実践し、それをもとに共通ベースを造ることが望ましい。
・ 間接民主制の基本を踏み外さないよう注意することも重要。地域の事情や焦点となる課題に応じてケースバイケースで処理すればよい。
・ ii)のこうした判断(どこまでの判断)は困難。
F
・ 無関係者を特定することが実際には困難な面がある。
・ 沿岸域の問題を考える場合、広く市民レベルへ参加を促すことにより、市民レベルの沿岸海域への関心を持たせることにより最大限の効果があるものと考えます。
・ 多くの関係者のコンセンサスを求めることは大切であるが、関与の度合いに応じて差をつけることは当然である。公正、科学的、建設的で冷静な議論が展開できる仕組みが必要である。
・ 参加の方法としては多様な形態がある。
・ 各関係機関等の意見と市民レベルの意見を聞き、合意形成を図りながら推進すべきである。自然は一度改変すると元に戻すことは不可能に近いので、十分な検討協議を重ねて、計画を決定すべきである。
・ 強い関係については、よく協議して決めるべきである。特に自然保護の立場から意見を言えるようにしておくべき。
・ ii)を適当としたが、情報の提供については広く市民レベルまで含めて行うべきであると考える。しかし、意見を求める段階では、参加の程度について差をつけることは必要であろう。
・ 1. 市民レベルまで含めた関係者を参加させることは、長期的視野に基づく国家的プロジェクト等が実施できないか、もしくは実施に至るまでに長い時間と多大な費用が必要になることがあり、国としての損失(国際競争力の弱体化等)が生じる。2. わが国では漁業権が過剰に保護されており、種々支障が生じており、改革を考える時期である。
・ 1)地域に無関係の人の関与により開発計画が遅れるとの意見があるが、最も関係の深い地元住民が主体的に関与すれば問題ない。2)しかし、議論をするにも一定のルール(何を持って合意とするか、期限など)必要。
・ 基本的には自治体が主導で判断するべきであり、必要以上に広げると意思決定が不可能。
・ 市民レベルまで情報をどう発信するかが前もって詰めておかれる必要がある。
・ 海域、利用形態により異なると考える。
・ 全ての関係者との協議を速やかに進める仕組・制度が必要。
・ 合意形成は必要であるが、実行可能な方法を考える必要がある。
・ 昨今環境問題に関しては、市民参加が求められているが、海洋の場合利害関係や環境悪化となる要因が複雑に絡み合うため、有識者・学識者をベースとした方針を定めることが必要と考える。
H
・ 参加者の範囲を最初から決めておくのではなく、参加の手続きの中で判断すべき。
・ 権利と義務について調整したい。
・ 情報公開のもと、広く意見を募ることは基本スタンス。
・ 海洋国家として、市民レベルでの関心を喚起すべきである。
・ 利害調整のみに追われる組織であってはならないので基本はオープンにすべき。
3−9. わが国の海洋管理の上で、あらゆる開発、利用を禁止するか大幅に制限する「海洋保護区域」を法制度上、設定する必要があるとお考えですか?また、必要の有無の理由や基準はなんですか?
(該当のものに○印。所要事項を記入。)
  全体 A B C D E F H
i)設定が是非とも必要である。→[1][2][3]へ 55(32.0%) 23 10 4 6 2 5 5
ii)設定が必要である。→[1][2][3]へ 72(41.9%) 16 18 5 6 5 16 6
iii)設定の必要はあまりない。→[4]へ 24(14.0%) 2 4 3 5 3 6 1
iv)設定の必要は全くない。→[4]へ 8(4.7%) 1 4   1 1 1  
v)わからない。 13(7.6%) 2 1 2 2 1 4 1
合計(N) 172 44 37 14 20 12 32 13
z1102_01.jpg
<分析>
1)法制度上の海洋保護区域を設定する必要性については、ii)「設定が必要」が72(41.9%)で、i)「是非必要」がこれに次いで55(32.0%)。両者併せて127件(73.8%)と大多数を占める。他方、ii)「あまり必要ない」24(14.0%)、iv)「全く必要ない」8(14.7%)は、併せて32(18.6%)である。
2)ii)「設定が必要」の支持率が平均より高いのは、<B:団体役員>18(48.6%)、<F:産業界>16(50.0%)、<H:報道・シンクタンク>6(46.2%)だった。一方、<A:有識者>は、i)「是非必要」23(52.3%)、ii)「設定が必要」16(36.4%)と「海洋保護区」の設定に最も積極的である。
→[1]必要な理由としてはどのようなものが考えられますか?(○印、複数可)
  全体 A B C D E F H
イ)生息地として重要な海域 102 34 21 8 10 6 13 10
ロ)絶滅危惧種の棲息する海域 91 30 17 9 8 5 13 9
ハ)貴重な海中、海上景観資源の存在する海域 88 28 16 8 7 5 14 10
二)考古学的価値のある遺跡等の存在する海域 55 19 9 6 2 4 9 6
ホ)これ以上開発利用すると深刻な環境破壊が想定される海域 96 26 22 8 9 6 15 10
へ)その他 8 3 4 1        
合計(N) 440 140 89 40 36 26 64 45
*設問3-9.[1]でヘ)「その他」を選択された場合、制定する必要があるとお考えの理由についてご記入ください。
グループ
A
・ 生物資源の再生産の場として重要な海域。
・ LTR(長期モニタリング)の対象となる自然海域。
・ 近世の歴史的、文化的遺産、例えば港湾施設等が残っている海岸線。
B
・ 産卵場所など生物の一生の中で特に重要な意味を待つ場所。
・ 種の維持に必要な(例えば幼生や卵の供給地、産卵群の集合地)場の保護。
・ 魚類の重要な産卵場水域。
・ 藻場干潟、さんご礁など、生態系にとって重要な海域。
C
・ 海水の浄化等、海洋環境の再生磯能を確保する上で重要な海域。
→[2]どのような方策で設定するのが良いとお考えですか?
  全体 A B C D E F H
イ)新しい法律を制定して設定するのがよい。 84(75.0%) 26 20 8 7 2 12 9
口)現行の自然公園法にもとづく海中公園指定の内容強化でよい。(*現在全国63ケ所に海中公園地区が指定されている。) 25(22.3%) 6 4   5 2 7 1
ハ)その他 3(2.7%) 1   1       1
合計(N) 112 33 24 9 12 4 19 11
z1104_01.jpg
<分析>
1)海洋保護区域の設定が必要な理由については、複数回答方式で、計440という多くの○印記入があった。一人当たり2.5項目に○を付したことになる。グループ別にみると海洋保護区の設定をi)「是非必要」、ii)「設定が必要」合わせて80%を超える高率で支持した<A:有識者>、<H:報道・シンクタンク>両グループの積極的な回答が目立ち、各々一人当り3.1項目、3.5項目に○を付している。
2)必要な理由として、イ)「生息地として重要海域」102(23.2%)が第1位、ホ)「これ以上開発すると深刻な環境破壊が想定される海域」が96(21.8%)で第2位、次いでロ)「絶滅危惧種棲息海域」91(20.7%)、ハ)「貴重な景観海域」88(20.0%)と続くのは、国際的に取り組みが進行している海洋保護区域に対する理解がある程度浸透している結果と思われる。
3)また、海洋保護区域の設定方策についてイ)「新しい法律制定」が84(75.0%)と3/4を占め、ロ)「海中公園指定の強化」25(22.3%)を大きく引き離しているのも、わが国の現行法制度では不十分と考える意見が大勢を占めていることを示している。
*設問3-9.[2]でハ)「その他」を選択された場合、どのような方策で設定するのが良いとお考えかご記入ください。
グループ
A
・ 地域によって現行の産業影響を与えないよう、環境影響の少ない釣漁業だけは可能にすべきだ。
C
・ 特続可能な”利用”については、権限を設けるべきではない。
H
・ イ)でもロ)でも実行性があればどちらでも良い。
→[3]海洋保護区として想定しうる海域名と、主たる理由を次の表の中に記してください。
海域名 周防灘西部、瀬戸内海(11)、有明海(8)、
主たる理由  
海域名 北海道尾岱沼(野付先)、北海道西海岸、北海道厚岸、北方四島、
主たる理由  
海域名 南西諸島(3)、沖縄本島(14)、宮古列島、八重山列島(3)、慶良間諸島(2)、石垣島(2)、琉球諸島、
主たる理由  
  東京湾(6)、大阪湾、館山湾、壱岐、大村湾、小笠原(4)、伊豆(2)、
山陰海岸、博多湾、離島周辺海域(伊豆、小笠原、沖縄)、
干潟周辺海域(東京湾、伊勢湾)、南九州・四国・紀伊半島等黒潮流域、
北海道周辺海域、北海道東部沿岸、沖縄本島以外の諸島周辺海域(3)、
ウミガメ産卵場所に面する沿岸(小笠原諸島、屋久島、関東以西)、
現在指定の海中公園、干潟を有する地域、全海域
*設問3-9.[3]で海洋保護区としてその海域名を想定した主たる理由をご記入ください。
 
沖縄本島
・ 埋立てによる土地造成を止めるべきである。
・ 海中に生息するサンゴ礁の保護のため。
・ ジュゴン等貴重な海棲哺乳類が生息し、また石垣島、白保の珊瑚礁等世界が注目する生態系がある。
・ サンゴ礁やそれに依存な貴重生物の保獲。
・ 日本の領土でありながら、亜熱帯性の気候・風土に恵まれ、貴重な動植物の宝庫だからである。
・ サンゴ礁の保護。
・ サンゴ礁の生息区域である。
・ 景観保全(地中・海上)、サンゴなどの生息地保護。
・ 貴重な海中・海上景観資源の存在する海域。
・ サンゴ貝の死滅の防止。
・ 自然保線、絶域危惧種の保護。
・ 貴重な自然が存在するが、開発等により大きなダメージを受けつつあるから。
・ サンゴ礁の保護、ジュゴンの保護。
・ サンゴ礁生息、ジュゴン生息を維持するため。
瀬戸内海
・ 環境・生態系の保護。
・ 閉鎖性海域の保護、保全が必要。
・ 生物生態学上、産業上、環境管理上、非常に重要かつ微妙であるため。
・ 一部の企業の独占になっている。
・ 最大の閉鎖性海域である。
・ 横断的管理がなされていない。これ以上の開発は慎重に行うべき。
・ 重要な海中・海上景観資源の存在。
・ [1]イ)、ホ)による。
・ 国立公園以外にも、白砂青松地域も含めて。
・ 海水の自然浄化と魚類の産卵場所の保護。
有明海
・ 生息地として重要。
・ 生息地として重要な海域。
・ 徐々に自然が失われ、ノリの色落ち現象が起きているから。
・ 生態系の保存。
・ 干潟域の保護。
・ 漁業者の権益が大きすぎる。
・ 干満の差の大きな海域であり、干潟に生息する生物保護のため。
東京湾
・ 人間の手の及ばない自然、種の多様性を可能な限り保全するため。
・ 横断的管理がなされていない。これ以上の開発は慎重に行うべき。
・ これ以上開発すると深刻な環境破壊が想定される。
・ 干潟域の保護。
・ 湾内海水の自然浄化と魚類の産卵場所の保護。
小笠原
・ 自然が多く残っている。生物も海洋に良い多様性が維持されている。
・ 東洋のガラパゴスとよばれる特異な陸上生態系と深く関わる海域。
・ サンゴ礁、その他稀少種の棲息を維持するため。
・ 自然保護、絶域危惧種の保獲。
沖縄本島以外の諸島周辺海域
・ サンゴ礁生息、その他稀少種の棲息を維持するため。
・ 自然が多く残っている。生物も海洋に良い多様性が維持されている。
・ 環境変化(悪化)の指標として最も理解しやすい生物がサンゴ。これ以上の環境破壊を許さない意味からでも保護区域指定が望ましい。
南西諸島
・ 極めて生物多様性が高いのにもかかわらず、近年乱開発が進んでいる。
・ ジュゴン等貴重な海棲哺乳類が生息し、また石垣島、白保の珊瑚礁等世界が注目する生態系がある。
・ サンゴ礁、岩礁、など日本南部の豊かな生態系が残っている。開発圧も強いため、早急に対応する必要がある。
八重山列島
・ 海中に生息するサンゴ礁の保護のため。
・ 生体系保獲。
・ サンゴ幼生の供給地。これらの地以東のサンゴ礁の回復、保持に深く関わっている。
慶良間諸島
・ サンゴのrefugeeにして沖縄本島へのサンゴ幼生供給源、多用なサンゴ種。
・ サンゴ幼生の供給地。これらの地以東のサンゴ礁の回復、保持に深く関わっている。
石垣島
・ サンゴ礁やそれに依存な貴重生物の保護。
・ 世界最大のアオサンゴ群集、サンゴ礁保全のシンボル。
伊豆
・ 現在の伊豆のダイビングスポットを中心に。
・ 自然が多く残っている。生物も海洋に良い多様性が維持されている。
北海道尾岱沼(野付先)
・ 日本最大の砂嘴地形に守られた小湾である。アザラシなども見学しやすく、固有の漁業もある。ワイズユースのモデルケースになる可能性がある。
北海道西海岸
・ 日本でも最も開発圧力が低く、自然も比較的良好に保たれているので、このまま保護したい。
北海道厚岸
・ トドなどの珍しい動物がいる。
北方四島
・ 自然生態系のサンクチュアリーとして。
館山湾
・ 都市に接した北限のサンゴ群集
大阪湾
・ これ以上開発すると深刻な環境破壊が想定される。
山陰海岸
・ 環日本海の国際化の波に乗って安易な開発がされないために。
博多湾
・ 元寇時の沈船等が多数存在。
周防灘西部
・ 日本最後の内海生態系と呼ばれ、多くの希少生物が生息する。また、漁業との共存も含め、ワイズユースのモデルケースになる可能性がある。
大村湾
・ 貴重な海中・海上景観の存在する海域生息地として重要な海域。
壱岐
・ 最近発見された、世界の最高緯度に位置する北限のサンゴ礁。
琉球諸島
・ 自然保護、絶域危惧種の保護。
宮古列島
・ 海中に生息するサンゴ礁の保護のため。
離島周辺海域
(伊豆、小笠原、沖縄)
・ 海鳥、獣、および珊瑚類等の生息・繁殖地。
干潟周辺海域
(東京湾、伊勢湾)
・ 海水浄化機能等の確保。
南九州、四国、紀伊半島沖
黒潮流域
・ 豊富な海洋生物群集と、人のアクセスの容易さとの調整を図るため。
北海道周辺海域
・ 自然保護、絶域危惧種の保護。
北海道東部沿岸
・ 将来千島列島の一帯的保護区設定を前提に日・ロ共同保護を設定し、実施を試みる。
ウミガメ産卵場所に面する沿岸
(小笠原諸島、屋久島、関東以西)
・ ウミガメの産卵場所の保護。
現在指定の海中公園
・ 浅海域の生態系保全、優れた海中景観保全のため。
干潟を有する地域
・ 自然、生物循環の場を守る。
全海域
・ これ以上の海洋環境破壊は中止すべき。尚、土砂の流出被害など、陸上開発による被害も大きいので、海洋管理に含める必要がある。
・ 広域藻場、生態系保護。
・ 慎重に検討する必婁あり。すぐに答えられない。
・ 新種の赤潮生物が続々と現れるよう海水組成が変わってきている。
原生林に類するような”原海水域”での生物研究も必要。
備考
・ 必要な理由にあげられている事項は、当然保護されるべきものであり、そこに「保護区」を設定することを検討せざるを得ない現状が問題であろう。保獲区の設定が一般的な海域の開発の免罪符とならないよう注意が必要である。
・ 保護区とするべき海域の実体が明確でないので、判断できない。このことが問題です。
・ 復元、保全を原則とすべきである。
・ 時間を使って検討すべきである。
・ わが国沿岸には離島、岩礁等対象は多数存在。
・ 国・自治体として見直し調査をしてほしい。
→[4]必要性がない理由はなんでしょうか?
  全体 A B C D E F H
イ)他の保護政策で対応してきたし、できるから。 12(42.9%)   2 1 1 3 5  
ロ)想定される海域や理由がないから。 7(25.0%) 1 1   3   1 1
ハ)その他 9(32.1%) 1 4 2   1 1  
二)わからない。 0(0.0%)              
合計(N) 28 2 7 3 4 4 7 1
z1111_01.jpg
<分析>
1)海洋保護区域の設定が必要性でない理由については、設問3−9.でiii)「あまり必要ない」24、iv)「全く必要ない」8をあわせた「必要がない」との回答は計32だが、そのうち28の回答者がその理由について回答している。イ)「他の保護対策で可能」が12(42.9%)、また、ロ)「想定される海域や理由がない」としたのも7(25.0%)ある。
2)ハ)「その他」が9(32.1%)となっているが、内容的にはイ)「他の保護対策で可能」、ロ)「想定される海域や理由がないから」に分類されるものが多いようである。
*設問3-9.[4]でハ)「その他」を選択された場合、必要性がない理由をご記入ください。
グループ
A
・ 環境関係の法規、各事業の法改正など、対応策の適正が検討される体制があるから。
B
・ 水産資源利用上阻害要因となりかねない。
・ 海洋の連続性、生命力の強さなどから、空間的区分に意味がない。
・ 総合的な沿岸管理のための法制度を制定する以上、そのような措置は不要と考える。
・ 他の保護政策で充分対応してきたし、できるから。海洋は積極的に利用開発すべき。
C
・ イ)、ロ)の両方。(他の保護政策で充分対応してきたし、できるから。想定される海域や理由がないから。)
・ [1]イ)、ロ)、ハ)は分かるが、土木事業で潰すのでない限り完全サンクチュアリーにする必要はないのではないか。(限定的利用。)
E
・ 特定地域のみ保護しても実効性はあるのか。
F
・ 統合的に1つの基準で全体を保護すべきと考えるから。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION