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すぱーく因島
(1) 施設概要
[1]所在地: 広島県因島市中庄町4603番地
因島市は尾道からバスで30分ほど離れた島。「すぱーく」は島の北部にあり、中心街に近い
[2]設立年月: 平成7年4月
[3]管理者: 因島市社会福祉協議会
[4]利用者数: ゲートボール愛好者:月間約1,200人〜2,000人程度 年間約20,000人
[5]主な利用者層: ゲートボール協会会員
[6]周辺施設状況: 隣地に屋外ゲートボール場を4面設けるほか、すべり台等がある公園を作り、「因島市ゲートボール公園」というエリアにしている。
(2) 利用状況
●瀬戸内海に浮かぶ「水軍と花とフルーツの島」
 因島市はおよそ40km2の面積を持ち、平均気温が15℃の温暖な地域です。人口は約29,000人、そのうち65才以上の方が28%を占めます。
 市内の主な体育施設は、多目的球技場、テニスコートを備えた運動公園、体育センター等がありますが、「すぱーく」はゲートボール協会中庄支部を中心に毎日フル稼働しています。
●すぱーくの管理は利用者で
 通常の鍵はゲートボール場の近隣に住んでいる方が利用者代表として管理しています。本来、開始時間は9時からでしたが早朝練習の要望が高く、今では7時になりました。お正月でも利用希望が多いため休みにしておらず、年中無休で常に誰かが利用している状況です。また、掃除や戸締りも協会支部のメンバーが当番制で行っています。このように「すぱーく」は利用者により自主運営されています。
 クラブハウスは、パーテーションを取り払い、畳み部分を一箇所に寄せると、三人掛けの机を6台ほど入れることができ、打合せスペースと休憩スペースを同時に確保することができます。その他ホワイトボード、黒板を置き、月ごとの使用予定が一目でわかるようになっています。
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クラブハウスのようす
 一方、「すぱーく」の利用時間は午前・午後・夜間に分かれています。午前中は中庄支部の練習が中心となっていますが、午後は自由練習、夜間は勤労者の使用が多くなっています。また、日曜日の朝は、聾者のチームが定期的に練習しています。
 普段は、ゲートボール専用となっていますが、因島市の商工会議所が主催する球技大会会場や、おやこ劇場が主催するフリーマーケットの会場としても利用されています。また、障害者がビーチバレーの練習に使うこともありますが、コートはネットを張れるように柱の位置におもりをいれて整備しています。こうした利用は管理者の社会福祉協議会が調整しています。
●地域社会に根付く中庄支部の活動
 因島市ゲートボール協会の会員数は現在253人ですが、中庄支部には90人が登録され、35チームが結成されています。市協会の実施する大会はおおよそ年に35回ありますが、そのうち半分は因島市で開催されており、その場合は、ほとんど「すぱーく」を使用しています。つまり月に一度以上は「すぱーく」で大会が行われていることになり、その都度230人程度の参加者が集まります。
 支部が今、力を入れている活動は、小学生のためのゲートボール教室です。支部のメンバーは近くの小学校へ積極的に働きかけ、5、6年生を対象にクラブチームを結成し、月に2回程度教室を開いて教えています。また、昨年は初めて、聾者だけのチームによるゲートボール協会中国・四国地区の交流大会を開きました。平成15年大会はここでの開催を予定しており、毎週行う聾者との練習にも力が入っています。
●お金をかけずに使いやすい「すぱーく」に!
 これほどよく利用されている大きな要因は、「すぱーくは自分たちの施設」という利用者の意識です。それが自主管理に繋がると共に様々な工夫を呼ぶのではないでしょうか。
 工夫の一端をご紹介しましょう。まず「球止めの工夫」です。球がシャッターのガラスを割らないよう、また他のコートに進入しないよう、コートの周囲に家の大黒柱になりそうな木の柱をめぐらせています。柱の幅は9cmあるため十分な役割を果たしています。全体で家一軒建ちそうなほど柱を使っているそうですが、利用者の好意で集め、ペンキを塗ったために経費は殆どかかっていません。
 次に照明の工夫です。ここでは夜間練習もよく行われていますが、電気代は頭の痛い問題です。そこで、照明を使う場合は「1時間100円」と決め、照明制御板機械にコイン入れを付けています。電気代を賄うまでにはいたりませんが、受益者負担の意識付けにつながっています。
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コイン式の照明具
 もうひとつ特筆すべき点は、「すぱーく」に屋外ゲートボール場が4面隣接していることです。こちらは市が整備しましたが、合計6面あり、大きな大会等はここで一挙に開ける為、互いの用途の幅が大きく広がり、活用の促進に繋がっています。施設はすでに6年が経過しており、人工芝の減り具合も気になるところですが、砂を入れて減りを防ぐなど細かい気配りを行い、使い勝手の良い施設をみんなで作り出している印象が非常に強い「すぱーく」です。








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