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すぱーく深谷
(1) 施設概要
[1]所在地: 埼玉県深谷市大字沼尻484−1
  JR深谷駅より車で約15分 利用者は自転車にて来訪
[2]設立年月: 平成7年6月
[3]管理者: 深谷市社会福祉協議会
[4]利用者数: ゲートボール愛好者:月間295人、年間3,535人
  多目的使用者:月間74人、年間884人
[5]主な利用者層: 高齢層を主としたゲートボール愛好者
[6]周辺施設状況: 老人福祉センター「福寿荘」(高齢者は温泉等の施設利用無料)
(2) 利用状況
●無料化で利用率を上げる
 「すぱーく深谷」は平成11年4月より、市民の利用料金を500円から無料へ変更し、さらに休館日を年末年始のみとしました。以後利用者数は増加しています。無料化により市からの補助金が増えた訳ではありませんが、500円を徴収しても年間10〜15万円程度にしかならないため、市民の「すぱーく」の活用をさらに促進させるべく、無料化に踏み切りました。この結果、平成12年度の利用者数(4,419人)は平成10年度(2,029人)の2倍を超え、利用者側にも「自分たちのすぱーく」という意識が根付き、利用後の清掃などにも積極的に参加するようになりました。管理者としてはいかに維持管理費を安く上げるかがポイントだということです。
●施設の工夫あれこれ
 施設上の工夫として、車椅子の利用者に配慮し、およそ5メートル離れている「すぱーく」とクラブハウスの間にカーポート用の屋根を設置しています。そして、その両脇や施設入口等の土の部分を利用し、社会福祉協議会の職員が農家から球根を無料で譲り受けて植え付け、ユリやチューリップなどを咲かせて利用者の心を和ませています。ただし、この土の部分には雑草も多く、職員が除草剤を散布していますが、除草剤の代金が高くつくのがネックです。
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カーポート用の屋根を設置
 水撒きについては、場内には散水栓が1つしかなく、異なる団体が2つのコートを同時に利用する場合に、片面の散水が終わるまでもう片面が待たされるため、散水栓を2つに分配しました。また、散水ホース内の水の凍結を防ぐため、水の流出はホースの先端ではなく、蛇口で管理しています。水道は水撒き程度の利用なので、口径を小さくして水道代の基本料金を下げることができました。さらに、水撒き程度で下水道を殆ど利用しないこと、大便をする利用者が少ないことから、浄化槽の清掃料を減額することもできました。
 次に、球止めとして木枠をコート周辺に設置していますが、この木枠による段差が車椅子の妨げとなってしまうため、地元の大工さんにお願いし、無料で木製のスロープを作っていただきました。このスロープは丈夫で軽く、1人でも持ち運びが可能なため、普段はコートの片隅に収納し、必要に応じて設置するようにしています。
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可動式の木製スロープ
●使い勝手をもっとよくするために
 「すぱーく」の敷地内に社会福祉協議会が物置を設置して車椅子を常備している他、グラウンド・ゴルフの用具ハーフコース(4ホール)分を6万3千円程度で購入し、貸し出しに備えています。ローンボウルズの用具の購入も検討していますが、20万円と高額なので、現在は見合わせているところです。なお、ゲートボール用の電光得点掲示板を設置してみましたが、利用者が各自タイムスコアを身につけているので、今は利用されることがほとんどないことが少々残念です。
 利用者からは、「すぱーく」は雨天時でも利用できて便利と評判ですが、ローンボウルズの使用後などはグランドが傷んでいるということや、貸し出しているゼッケンが持ち出し禁止で汚れたままなので、クラブハウスに洗濯機を設置して、利用者が洗濯できるようにしてはどうか、といった話もあります。
 また、雨水を利用してグランドの水撒きができるような設備を設置できれば、上下水道代をもっと節約できるとの意見もあります。
 さらに、火災や傷害等の保険費用が年間12万〜13万円と高額になる為、103箇所全ての「すぱーく」に適応できる安価な保険制度を考案してもらいたいと考えています。
 「すぱーく深谷」では、今後も維持費の節減に向けて様々な工夫を凝らしながら、利用者に喜ばれる「すぱーく」づくりを目指していきます。
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お昼はクラブハウスでお弁当








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