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すぱーく藤沢
(1) 施設概要
[1]所在地: 岩手県東磐井郡藤沢町字徳沢大望沢
  町の中心街から約1km。健康スポーツ公園「ニコニコパーク」内に位置
[2]設立年月: 平成7年6月
[3]管理者: シルバーセンター(藤沢町教育委員会の1部署)
[4]利用者数: ゲートボール愛好者:月間平均約500人(年間約5〜6千人)
[5]主な利用者層: 地元ゲートボール協会、高齢層のゲートボール愛好者
[6]周辺施設状況: 「ニコニコパーク」内
  *屋内温水プール「藤沢町B&G海洋センター」
  *レストラン、サウナ、浴室等の「ニコニコヘルス」
  *多目的ホール、会議室、和室等の「ニコニコドーム」
(2) 利用状況
●一大レクリエーション公園内
 「すぱーく藤沢」は「健康スポーツ公園 ニコニコパーク」の一角にあり、同じ敷地内には一年中利用できる屋内温水プール(B&G海洋センター)、食堂や入浴施設を完備したトレーニングセンター、高齢者の生きがい活動の拠点となる多目的ホール、さらに大型遊戯具やバスケットゴールを備えた公園が整備されています。この「ニコニコパーク」は、幼児から高齢者に至る全ての年代のニーズに応える「遊び」と「健康」を追求したスポーツ・レクリエーション施設として、年間のベ12万人が利用しています。
●ひと工夫で…
 「ニコニコパーク」は山の斜面を切り開いた高台にあるため、「すぱーく藤沢」は風通しがよく、夏場の利用には最適です。逆に、東北地方にありながら‘寒冷地仕様’となっていなかったため、冬期間は寒風や雪が施設内に吹き込み12月から3月までの4ヶ月間は快適な利用が出来ない状況でした。そのため、6台のストーブを備え付け、さらに軒に風止めのシートの取り付け工事を施したところ、効率良い暖房ができるようになり、利用者からは薄着でプレー出来ると大変喜ばれているそうです。ちなみにシートの取り付け費用は100万円程度。これは業者の好意的価格であるそうですが、一般価格でも2倍はかからないでしょう。
 また、ガラス戸破損防止対策として、ネットが使用されています。グランド部分はコート面に沿って四方に固定されていますが、壁面は多目的使用を考慮し、必要に応じて開閉できるようになっています。
 イスも備え付けのベンチだけでは、大会ともなると足りなくなりますが、パイプイスを持ち込んだり、酒ビンのケースをひっくり返して代用したりしています。ベンチと違い自由に移動できるので、試合の合間はストーブを囲み団らんが広がります。
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ストーブを囲み団らん中
●主な利用はゲートボールの試合だが…
 藤沢町には鉄道がなく、路線バスの本数も限られているので、「すぱーく」には自家用車でないと来られない町民も少なくありません。
 そのため、町内に27あるゲートボールチームのほとんどが、日頃の練習は各地域にあるコートで行ない、「すぱーく」は試合の会場として使用されることが多いようです。
 試合会場といっても、年間24もの大会が開催されており、なかには数日間に渡る総当たり戦もあるため、月平均で、のべ約500人に利用されています。また、このような交流試合の開催により、町内のゲートボール熱が高まり、町全体でのゲートボール人口も増えてきています。但し、天候に左右されずに練習できるためか、ここ数年、「すぱーく」をホームグランドとしているチームはめきめきと実力を上げ、他チームから羨ましがられているとか…
 また、歴史的にゆかりのある近隣の宮城県町村とも交流試合を行なったり、ニュースポーツの力ローリング用具を備えたりと、町内のゲートボール愛好者以外にも気軽に利用できるようにしています。
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恒例の「町長杯」のようす
●健康づくりと仲間づくり…
 藤沢町の高齢者の間ではゲートボールだけが盛んなわけではありません。高齢化率約30%の藤沢町では「価値ある長寿社会の実現」を町政の重要課題に揚げ、高齢者の健康や生きがいづくりのために、「ニコニコパーク」内のシルバーセンターを拠点として10の趣味の教室を開講する等、多様な活動の展開を図っています。この教室では、受講者は勿論、講師も地元の高齢者の方で、これまでに培ってきた豊富な経験と知識を披露しています。
 また、B&G海洋センターの温水プールでは、地元の病院とタイアップした高齢者向けのプログラムが組まれており、定期的に通えるよう、無料送迎バスの運行や利用料金の半額助成などの配慮がなされています。その甲斐あってか、これまで水着を着たこともないお年寄りが、毎週、水中ウォーキングを楽しんでいます。
 このような「ニコニコパーク」内の各施設と並び、「すぱーく藤沢」も、心身ともに元気な高齢者が積極的に社会参加し、町全体が活性化するための一施設として、住民の生活にうまく溶け込んでいるようです。








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