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4. 調査報告
(1) 現地調査報告
すぱーく網走
(1) 施設概要
[1]所在地: 北海道網走市駒場南1丁目17番地
  市内のほぼ中心に位置
[2]設立年月: 平成4年3月
[3]管理者: (財)網走市体育協会
[4]利用者数: ゲートボール愛好者:月間平均246人 年間2,951人
  多目的使用者:月間平均639人 年間7,642人
[5]主な利用者層: 昼の部は高齢者と小・中学生、夜の部は高校生、一般成人
[6]周辺施設状況: 網走運動公園内にあり、総合体育館、陸上競技場、野球場、プールなどがある
(2) 利用状況
●スポーツのまち・網走
 網走市は、道東北部のオホーツク海に面した農水産業中心の街で、人口約42,000人のうち65歳以上の方がおよそ14%を占めています。
 網走市の夏は、平均気温が16〜19度。降水量が少なく、日照時間は全国で最も長い上、オホーツク海の影響で清涼感にあふれており、スポーツトレーニングに適した自然環境です。
 また、設備面においても、東京ドームのおよそ9倍もある敷地にラグビーやサッカー場などの施設が6面とテニスコートが16面も設置されているスポーツトレーニングフィールド、第3種公認陸上競技場、総合体育舘、屋内プール、多目的屋内ドームなどが市内に整備されています。
 このように非常に恵まれたスポーツ環境から、ラグビー日本代表の合宿地にも選ばれています。
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1年間の約半分は雪に覆われるすぱーく網走
●ゲートボールから多種目利用へ
 「すぱーく網走」は市内のほぼ中央に位置し、総合体育館、野球場、プールなどが備わった網走市運動公園の中にあるため、市民の憩いの場として頻繁に活用されています。平成4年に完成して以来、ゲートボールを中心に利用されてきましたが、最近ではパークゴルフの愛好者が急増しています。
 ゲートボールの利用者数の比率は、平成4年度を100(4,941人)とすると平成12年度は59.7%(2,951人)に減少していますが、その代わりにパークゴルフの利用が平成5年から始まり、当初の264人から平成12年度には1,558人と、利用者数は5.9倍にも増えています。また、近年ではゲートボールのほか、サッカーや野球のスポーツ少年団、あるいは中学、高校のクラブ活動での利用も多くなってきています。
 年間の利用状況を見てみますと、4月から10月までの間は、屋外のコートが使用できることから、ゲートボールでの利用は減りますが、その分ホッケーなどに活用されています。一方、サッカーや野球は年間を通じて平均的に利用されています。
 種目競技以外では、年に一度、「網走ふれあいスポーツ大会」が開催されています。これは、網走市老人クラブ連合会が主催しているもので、昨年は、過去最高の400人が参加しました。輪投げやコリント等軽スポーツを通してお年寄りの健康維持や親睦、交流を深めることに役立っているようです。中には90歳以上の方も15人参加しており、高年齢でも楽しめるスポーツを上手に選んで行なわれているようです。
●弱点は寒さ
 「すぱーく網走」は平成4年に完成していますが、外壁露出部に若干のさびが発生している程度で特に緊急に修繕する箇所は見当たらず、丁寧に使用されています。ただ、断熱材が外壁に露出しているため、鳥による破損箇所が相当目立ち、鳥の巣が作られている箇所も見られます。
 課題としては、施設設計が全国統一基準であり、天井が高く暖房をしても熱が逃げやすい構造になっているため、「寒さ対策」が挙げられます。網走市の協力により現在は10台のストーブを設置していますが、なかなか効果があがりません。
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窓ガラスを保護するネット
●重宝な「すぱーく」をより有効に
 とはいえ、約半年間を雪に覆われ、室内競技場のニーズが非常に高い網走では、「すぱーく」の存在はとても大きく、遠く釧路方面からの問合せがあるほど重宝されています。
 そんな重宝な「すぱーく」をより一層有効活用するための工夫として、野球の練習用に窓ガラスを保護するためのネットがかけられており、安定させるために下部をカーリングストンで固定させています。
 以上のように、「すぱーく網走」はゲートボールを中心にパークゴルフ、野球、サッカー、アーチェリー、ホッケー、ラグビーなど多種多様に、しかも老若男女を問わず積極的に利用されている施設です。地域総合型スポーツクラブの基礎とも言うべき、さまざまなスポーツ団体の拠点として、また、コミュニティ作りの場として、今後の活用が期待されます。








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