日本財団図書館（電子図書館）　「すぱーく」利用・実態状況調査報告書

3.　多目的利用状況についての考察

　今回のアンケート調査で、「すぱーく」がゲートボールのみならず、多様に利用されていることがわかった。

　ここでは、「すぱーく」の〈ゲートボール以外の利用日数〉(10日以上・10日未満・利用なしの3つに大別)と、＜スポーツ指導者＞および＜周辺公共施設＞の関連について、簡単に考察する。

　次章以下の現地調査報告、アンケート調査報告と併せ、今後「すぱーく」をさらに有効活用していく上での参考にして頂きたい。

図1　「すぱーく」ゲートボール以外での利用日数(件)

●A　ゲートボール以外の利用日数とスポーツ指導者の関連(スポーツに関する人材)

(1)　「スポーツ指導者の有無」との関連

図2　ゲートボール以外の利用日数とスポーツ指導者の関連(件)　

　＜「すぱーく」を利用するにあたって、ゲートボールに限らずスポーツ関係のコーチをしてくれるような指導的な人がいらっしやいますか＞との問い(問24)に対し＜指導者がいる＞と回答した「すぱーく」は、ゲートボール以外の利用日数が

であった。「ゲートボール以外の利用日数が多いすぱーく」ほど、スポーツ指導者がいる割合が多いことが伺える。また、「ゲートボール以外の利用がないすぱーく」の約半数で、スポーツ指導者がいないことがわかった。

(2)　「スポーツ指導者に関する要望」との関連

＜スポーツ指導に関する要望があれば、お知らせください＞との問い(問26)に対し、「ゲートボール以外の利用がないすぱーく」では、指導者の有無に関わらず全く要望が出されていなかった。

　一方、「ゲートボール以外の利用があるすぱーく」では、現状の指導者の有無に関わらず、

■指導者の質の向上や養成に関わる補助金制度の整備

■指導者の増員

等の要望が見られ、また

■グラウンドホッケーの指導者がスクールを開催し、地域スポーツの普及に貢献している。今後も続けて欲しい

■子どもから高齢者まで、それぞれの立場や能力に応じた指導をして欲しい

等、特色のある回答も見られた。「ゲートボール以外の利用があるすぱーく」では、スポーツ指導者に対する意識の高さが伺える。

　以上のことから、スポーツ指導者を上手く活用することが、ゲートボール以外の利用を図るキーポイントのひとつになると言えよう。

●B　ゲートボール以外の利用日数と周辺公共施設の関連(「すぱーく」の周辺状況)

(1)　「周辺公共施設の有無」との関連

図3　ゲートボール以外の利用日数と周辺公共施設の関連(件)

＜すぱーくの周辺には、他の公共施設がありますか＞との問い(問29－(3))に対して、何らかの公共施設が＜ある＞と回答した「すぱーく」は、ゲートボール以外の利用日数が

であった。ほとんどの「すぱーく」には、周辺に公共施設があり、特に「ゲートボール以外での利用日数が多いすぱーく」ほど、その割合が増えている。

(2)　「他のスポーツ施設との複合的な使用」との関連

　具体的な周辺公共施設として、＜他のスポーツ施設があり、複合して使える＞と回答した「すぱーく」はゲートボール以外の利用日数が

であった。「ゲートボール以外の利用日数が多いすぱーく」ほど、他のスポーツ施設との複合的な利用が可能である割合が高い。

(3)　「他の周辺施設との相乗効果」との関連

　＜「すぱーく」と他の施設が近くにあることで、何か良い効果が生まれていたらお知らせください＞との問い(問29－(4))に対し、

「ゲートボール以外の利用がないすぱーく」では、

■ゲートボールで汗を流したあとに温泉でリフレッシュできる

■ゲートボールをして宿泊ができる

等、スポーツ施設以外との相乗効果を挙げる意見が見受けられると同時に、

■複数施設を同時に無駄なく有効利用できる

■両方のスポーツ施設の管理を一本化できる

といった、他のスポーツ施設との相乗効果も生まれているとも報告されていることから、地域の総合・複合スポーツ施設のひとつとして、「すぱーく」がゲートボール専用に使用されている状況が推察できる。

　一方、「ゲートボール以外の利用があるすぱーく」では、

■他の施設との相乗効果で利用率が上がった

■大きな大会、多種目の大会が開催できるようになった

■テニスや野球の練習で雨天時は「すぱーく」、晴天時は屋外といった使い分けができる等、「すぱーく」が、周辺施設と複合的に利用されていることが推察できる。

　以上のことから、周辺施設を上手く活用し、「すぱーく」と複合的に使用することで、ゲートボール以外の利用が広がる可能性があると考えられる。