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2. 調査結果の要約
(1). 「すぱーく」の利用状況
 「すぱーく」のゲートボールでの月間利用日数は、<10〜20日未満>と<20日以上>を併せると全体の7割以上、月間利用者数も、<200人以上>が全体の7割以上となっており、概ね利用されていると言える。
 また、ほとんどの「すぱーく」で、ゲートボール以外の利用があり、その月間利用日数は<10日未満>が大半である。利用例としては、<テニス>や<グラウンドゴルフ>等、何らかのスポーツ競技が多いほか、不定期ではあるが、<夏祭り・盆踊り><運動会>等、地域のイベント会場としての利用も見られる。
 高齢者以外の利用としては、<社会人・主婦>や<小・中学生>が比較的多く見受けられる。
(2). 「すぱーく」の使用実態
 「すぱーく」の各設備・施設の使用状況をみてみると、
<全面横引きアルミシャッター> は66%で利用されている
<採光と照明の明るさ> は65%が満足している
<コート2面の設計> は82%が適当と評価している
など、7割以上の「すぱーく」から全体的に良好な評価を得られている。
 クラブハウスの利用状況は、どの「すぱーく」も<休憩室><トイレ><荷物置場>としての利用が多い。
 必要とされる機能としては、約7割の「すぱーく」で<寒さ対策>を挙げており、次いで<梯子等の設置><別棟間の屋根の設置>が多い。
 その他不便な点として、<屋根に関すること(「低くて利用が制限される」「ゴミが溜まりやすい」)><シャッターやガラスの破損><雨漏り>が多く挙げられている。
 一方、工夫している点としては、アルミシャッター・ガラス扉破損防止のために<防御ネット>や<木枠>等の設置をしている「すぱーく」が多く、また<寒さ対策>として<防風シート>や<ストーブを設置>している「すぱーく」もある。
(3). 「すぱーく」の管理
 「すぱーく」の管理についてみてみると概ね<1〜3人程度>の人が関わっている。
 鍵の管理は、<所有者>か<管理者>という回答がほとんどである。
 利用希望の調整は大半が<先着順>という回答であるが、2割弱の「すぱーく」では<利用者同士の話し合い>で決めている。
 管理上困っている点については、<屋根の清掃>や<コート整備><寒さ対策>等、設備面に関するものが多いが、<利用者のマナー>に関するものも見受けられる。
(4). 「すぱーく」の運営
 「すぱーく」の維持管理にかかる1ヶ月あたりの経費は、およそ半数が10万円未満となっており、次の10万円台と併せると、およそ8割の「すぱーく」が10万円程度で管理していることになる。
 利用料の有無については、およそ8割の「すぱーく」が<有料>としており、1コート、1時間当たりの平均利用料金は市町村住民の場合は<339円>、他市町村住民の場合は約2倍の<605円>となっている。
 設備等に関する不具合箇所については<屋根><コート><アルミシャッター>に関することが多く、その修繕費用も数万円程度から1,000万円以上かかるものもあるようだが、高額なものでも、保険対応等により既に修繕を行っている「すぱーく」も見受けられる。
 尚、日本財団の「修繕制度」については、ほとんどの「すぱーく」が利用を希望している。
(5). スポーツに関する人材
 およそ半数の「すぱーく」で<ゲートボールに限らずスポーツ関係のコーチをしてくれるような指導的な人がいる>と回答している。
 また、何らかの資格を有するスポーツ指導者の所在については、<把握できる>という回答が約8割あり、そのうちの約7割が確認先を<体育協会>としている。
 指導者に関する要望としては、<人員増員>だけでなく<指導内容><指導環境>に関することも挙げられているが、この設問に対しては、全体的に回答数が少なく、管理者の意識があまり高くないことを示唆している。
 スポーツを盛んにするための工夫点等については、「すぱーく」をより有効活用するためのものと、スポーツ全般に対するものに大別される。なかでも、誰でも気軽に親しめる「生涯スポーツ」に焦点をあてている傾向が見られる。
(6). 「すぱーく」の周辺状況
 周知・広報活動については<クチコミ>が圧倒的に多いが、併せて<市町村便り>や<パンフレット>を活用している「すぱーく」も半数に及ぶ。
 利用者の最も多い交通手段として<車・バス>という回答が8割以上あり、「すぱーく」の交通の利便性については、<良い>と<まあ良い>を併せると6割以上になる。
 また、ほとんどの「すぱーく」で<周辺に公共施設がある>という回答をしており、一番多いのは<スポーツ施設>で、約半数の「すぱーく」に隣接している。その他<公民館・文化会館><健康保健施設><役場>と続く。
 これらの周辺施設と「すぱーく」は、<代替・複合利用><利用者間の交流><管理面>等で互いに様々な良い効果をもたらしている。
(7). 総合評価
 日頃の利用者の声や利用の様子による「すぱーく」の評価では、<スポーツの普及に貢献><高齢者の生き甲斐作りに貢献><地域の健康作りに貢献>の項目で、約9割の「すぱーく」が、また、<住民の交流が盛んになった><地域住民は満足><多目的に利用でき便利>では6〜7割が好意的な回答をしており、概して「すぱーく」は地域社会に貢献していると言える。
 特に、天候や気候に左右されず定期的に安定して利用できる点が<健康作り>や<交流の場>として高く評価されている。
 多くの「すぱーく」では、<高齢者以外の利用者拡大><ゲートボール以外の他スポーツ種目での利用><スポーツ以外のイベント等での利用>等、幅広い利用の可能性を探っていることがうかがえるが、同時にそのための、屋根やコート等設備面の改造の必要性を唱える「すぱーく」も見受けられる。








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