桂男
思ふこと(合)あればこそ、(合)寝ぬ初雁の、(合)夜渡る(合)声にや寒からで、空に立つ名や、(合)久方の、(合)月にや影を、(合)みだすらん(合)。露しんしんとして、真葛に虫の裏音さへ、ただ(合)松虫の、
―手事―
訪れも、(合)尾花が秋を、(合)招くやら、誘はば越えん、関も憂し、空音や集ふ夜半の鶏。