7.これからの港湾物流情報ネットワーク
最後に、私案でありますが、これから先の官民物流EDIネットワークのイメージをしめします。
とりあえず代表的な民間の業界をイメージ図に掲げてありますが、それらはすべてオープンなインターネットを経由して、例えばPOLINETやTEDI ClubやBolero.netといった民間のEDIセンターとやりとりします。そして、行政側とは同じオープンインターネットで「行政ハブセンター」に必要な情報を伝送すれば、そこから先は行政ハブセンター側で全部集配信をしてもらえる。民間のユーザはインターネット・サービス・プロバイダーとの利用契約と、ブラウザのソフトさえあれば全部やれる。あるいは社内システムを持っておられる方は、社内システムから指定されたフォーマットに変換をして、インターネット経由でやりとりできます。
これによって、民間のEDIセンター、例えば、港シ協のPOLINETとNACCSが相互接続して、D/R情報についてはPOLINETが船会社にも送信するし、NACCSにも船積確認用のデータとして送信することも可能になります。このように非常に多目的にできるようになるし、民間の利用者は何よりもネットワークのチャンネルが簡素化され、なおかつ、情報の共有化の促進にもつながります。
ただ、それを実現するためには、例えば、DRのような民間業務と税関が必要とする搭載確認用の情報というのは、統一的なフォーマットをつくっておくことが大前提となります。現実には、民間で使うD/Rと税関が使う船積確認用のデータフォーマットというのは違っています。そうすると、民間の事業者はそれぞれに対応した変換システムなりデータ生成のシステムをつくらなければいけませんので、情報化投資の負担がそれだけ重くなります。
それから、決済業務のEDIに必要な認証機関というのは当然必要になってまいりますが、これは官民共通にするといったことが必要かと思います。
いずれにしても、これからの港湾物流分野の情報化は官民連携して促進のための諸方策を実施していく必要があり、民間側の情報化、ED1化推進団体は、単にメッセージのやりとりを仲介するだけではなく、社内業務システムに代わるASP、あるいはフォーマットの変換処理を行うASPサービスといった中小事業者向けの支援を進めるとともに官民EDIネットワークの相互接続とユーザの利便性を追及していく必要があります。
以上
(山内靖雄)