3.港湾物流EDIの普及状況
3.1 港湾物流分野の民間業務に関わるEDIの普及状況
前項に掲げた民間EDIネットワークのうち、稼動状況、普及状況を一般に公開しているのは港湾物流情報システム協会のPOLINETだけなので、その公表データ(平成13年6月調査)を基に普及状況を眺めてみたい。
港湾物流分野の民間業務EDIは、1986年稼動の「SHIPNETS」を介した輸出船積手続業務からスタートしています。参加業種は、海貨業者、船社(船舶代理店)、検数業者および検量業者の4業種でした。1995年にVAN3社を相互接続して「POLINET」を構築、移行し、さらに、2001年にインターネットを導入した「Web−POLINET」および「Cyber−POLINET」を構築、新旧ネットワークを相互接続したサービスを開始しました。
この間、SHIPNETS、POLINETに参加、利用する企業数およびD/R(Dock Receipt)データ送信件数の年次別推移表は棒グラフに示す通り1996年度(平成8年度)の168千件をピークにその後漸減しています。
下表は平成14年1月1日現在の業種別稼動状況を示します。稼動店社数のピークは1996年(平成8年)の80社から12社減少しています。
業種別稼動状況(平成14年1月1日現在) |
  |
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POLINET稼動店社数 |
  |
業種 |
会員数 |
回線接続店社数 |
VAN-EDI |
インターネットEDI |
合計 |
稼働率 |
  |
  |
  |
NTTD |
C&C |
Web |
Cyber |
  |
  |
海貨業者 |
101 |
55 |
46 |
3 |
2 |
1 |
52 |
51.5% |
(事業所) |
162 |
79 |
62 |
4 |
2 |
1 |
69 |
42.6% |
船社・代理店 |
12 |
9 |
8 |
  |
  |
1 |
9 |
75.0% |
検量業者 |
2 |
2 |
1 |
  |
  |
1 |
2 |
100.0% |
検数業者 |
2 |
2 |
2 |
  |
  |
  |
2 |
100.0% |
合計 |
117 |
68 |
57 |
3 |
2 |
3 |
65 |
55.6% |
次に港別のD/R伝送件数および伝送経路の構成比率を下記棒グラフに示します。伝送件数では京浜港、神戸港、名古屋港、大阪港の順となっており、全港合計の伝送経路比率では、POLINET 9.5%、NACCS 9.1%、個別EDI 0.2%、書類搬送 80.2%となっており、依然として書類搬送比率が高いことを示しています。
港別D/R伝送件数および伝送経路
港別D/R伝送経路構成比率
POLINETとNACCS合計のD/R伝送は14,995件/月(EDI比率:18.6%)で、これはPOLINETのピーク実績(1996年度)である14,000件/月の水準でしかない。言い換えるとEDIユーザーの取りこみ競争だけで、新規ユーザーの参加は少ない状況にあります。