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3. 各種イニシャティブ毎の機能分類
 前節において個別のプロジェクト等の概要につき説明しましたが、一見すると様々なイニシャティブが乱立しているような印象を受けます。貿易取引に係るドキュメントの電子化を中心とするもの、認証機能をコアとするもの、決済を中心とするもの、とそもそものアプローチが異なりますが、プロジェクト間で機能が重複する部分も多くあります。いずれのプロジェクトもクロスボーダーの取引を対象とすることもあり、このまま全てのプロジェクトが順調に推移した場合、本格実用化フェーズにおいて競合し合う可能性も高いといえるでしょう。そこで各々のプロジェクトを機能ごとに分類し、それぞれの対象領域を整理してみることとします(表2ご参照)。
 
 Bolero、TEDI、Identrus、SWIFTと比較した場合、貿易取引に関するドキュメントの電子化をベースとしてスタートし、船荷証券まで取り込んでその所有権移転等の管理を行おうとするプロジェクトであるBoleroとTEDIは機能的にも非常に似通っており、あらゆる面でバッティングするように思われます。両者が連携するか、地域ごとに住み分けを行わない限り、競合する形になるとも考えられます。また、Bolero、Identrus、SWIFTにおいては、そのルーツは違うもののクロスボーダーの「ペイメント」と呼ばれる代金決済の部分についてはいずれのプロジェクトも独自の仕様を開発しており、機能面で競合する可能性があります。ただし、BoleroとSWIFTは、SURFとePaymentPlusという各々の決済機能同士を連携させることにつき合意するといった動きも既に出ています。また認証の部分についてはBolero、SWIFTは各々Identrusと提携しており、SWIFTのTrsutActがIdentrusの認証を既に利用している他、Boleroについても将来的にはIdentrusに対し認証機能をアウトソースする可能性も高いと言われています。
【参考】図5:各種イニシヤティブごとの機能分類
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