6. 業務効率化を果たす仕組みのポイント
貿易取引電子化の仕組みであるTEDIにおいては、業務効率化を追求した結果の様々な技術、機能を組み込んでいます。その中のいくつかのポイントにつき、技術者ではなく、ユーザーの立場から、極力わかりやすく説明します。
6.1 XML
まず、TEDIでは、XMLを採用しているということです。これはTEDI以外の貿易関係のシステムでもXML採用が一般的になりつつあり、インターネットEDIでの、ほぼデファクトスタンダードな言語と言っていいでしょう。これにより、他システム、他ネットワークとの連携も容易になるものです。特徴としては、インターネットに親和性があり、かつ、タグを使ってデータに意味合いを持たせることができる。従い、データの授受、社内システムはじめ他システムとのマッピングにより、取り込みが容易ということです。そして、このXMLの企業間電子商取引の標準フレームワークとして、今後進展が期待されるebXMLがあるわけです。
6.2 文書標準化、項目共通化
TEDIでは、「標準化」を積極的に目指しています。既存の書面授受を電子データ化し、その通信手順、技術的仕様を統一化しても、それだけでは、効率化は不充分であり、実際には、その上で動くところの、ほんとうの意味でユーザーが恩恵をこうむるビジネスアプリケーションの中身の標準化が重要です。相手先各社が各様な文書フォーマットをとるとなると、その項目、桁数、属性、コードがバラバラな対応となり、結局は、業務を行う実務ユーザーがその使い分けに、大きな労力負担をこうむることになるわけです。或いは、各社各様な違いをすべて個別にシステム対応するとなると、そのシステム開発費の合計は膨大なものとなってしまう、ということになります。
そこで、TEDIでは、開発当初より、標準化のコンセプトを持ち、標準文書、共通項目を設定しています。実際のメリットとしては、ある文書から他文書への自動転記という、入力の自動化、及び、文書相互間の項目チェック自動化が可能になることです。ちなみにTEDIは現在40種類の文書を標準化しています。そして、そのTEDIでの標準化は、UN/EDIFACT5に準拠し、銀行間の文書については、SWIFT6という、国際標準に準拠する、という基本姿勢を持っています。TEDI独自の標準ではなく、いわゆるグローバルスタンダート準拠を強く意識しています。
5UN/EDIFACT:United Nations Rules for Electronic Data Interchange for Administration, Commerce and Transport
6SWIFT:Society for Worldwide Inter-bank Financial Telecommunication
6.3 ワークフロー
TEDIにおいては、ワークフローという仕組みを基盤としています。これは、最近、いわゆる基幹業務ソフトで、よく使われる仕組みですが、実際に文書が社内をどのように手渡され処理さるか、を分析して、その業務の流れに合わせて、アプリを組み立てるということです。それにより、業務の流れに合わせて、人手で指示、操作することなく、自動的に次の処理者、処理部署にその文書データが流れていく、ということを実現させています。例えば、実務担当者が文書を作成して、それをその上司の責任者がそれを承認する、という流れや、ある部署で作成した書類を、定型的に次の部署に流す、と言った業務の流れが自動的に行えるわけです。そして、実際の社内の業務フローに応じて、フレクシブルにワークフローを設定できるようになっているわけです。すなわち、TEDIで貿易手続関連の社内システムを構築するも可能なものになっています。このような業務で社内システムを持っていない中小の業者に導入しやすい形態となっています。