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3.歴史的経緯
前述のような貿易取引電子化の効果、目的は、以前から考えられ、業務当事者からは切望されている時代が長かったと言えます。そして、そのための試みもいくつかあったが、結局は実現に直結するようなものはなかったのが実態です。
 
その理由はいくつかあるでしょうが、一番大きいと思われるのは、多い当事者を束ねて汎用的に仕組みを作り上げることが、ことの他労力がいることがあげられるでしょう。労力が必要ということは、多額のコストを要するということで、結局、任意の民間企業がそれを発案、推進することには、企業論理からすると限界がある、ということです。それには、やはり公的な資金、支援というものがどうしても必要となります。また、貿易取引電子化ということが、とりもなおさず公的なインフラ基盤という性格をもつということであり、それには、その出発時点では、協力な推進母体がもとより必須だったと思われます。従い、
以下に述べるBOLERO、或いは、TEDIは共に政府の主導によりスタートしたということが重要と思われます。
以下、BOLERO及びTEDIの歴史的経緯を簡単に説明します。
3.1 BOLERO
1994年〜95年  欧州委員会の主導により、欧米の26社が電子貿易実験を実施
1996年      SWIFTが同実験の成果を引き継ぎ、事業化を開始
1998年      SWIFT及びTTクラブの折半出資にてBolero International Ltd.設立
1999年4月〜8月  最終試験実験「Launch Program」を実施
1999年9月    商用サービス提供開始
3.2 TEDl
1997年〜98年   通産省(現・経済産業省)主導によるEDENプロジェクト実施(B/L電子化による転々流通の技術的検証)
1998年〜99年   同省主導による貿易金融EDI実施ガイドライン策定プロジェクト実施
1999年〜2000年8月 同省の平成10年度第三次補正事業として、TEDIシステム開発及び実地検証プロジェクト実施
2000年11月   TEDIの運営母体となる、任意団体としてTEDI CLUB設立
2001年5月   実用化のためのシステム第一次改善完了
2001年5月〜8月 TEDI実用化のための事業会社として、(株)日本電子貿易サービス、及び、テディ・アドバンスト・ネットワーク(株)設立
2001年11月   商用サービス提供開始








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