2−4 マダガスカル共和国
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マダガスカル共和国は、アフリカ南東部、インド洋上の島国であり、面積58.7万km2(日本の1.6倍)、人口約1,540万人である。首都アンタナナリボは国土のほぼ中央の内陸の高原地帯にある。
1885年にフランスの植民地になり、1960年に独立した。公用語はマダガスカル語及びフランス語である。1人当たりGNPは、250USドルとなっており、後発開発途上国(LLDC)に分類される。
主要産業は、農牧業(米、コーヒー、バニラ、砂糖、牛)及び漁業(えび、まぐろ)であり、主要な輸出貿易品目はコーヒーである。輸出、輸入ともにフランスが主要な貿易相手国となっており、日本はえびなどの水産物の輸入、自動車の輸出を通じてマダガスカルと深い関係を持っている。
マダガスカルに対しては、今までにODAによる造船関係の協力案件の実績はない。今回の調査出張においては、マダガスカル島北西部のマジュンガ港において、河川による砂の堆積が問題となっていることから、浚渫船案件の形成の可能性を併せて確認することを目的としていた。しかし、マダガスカル運輸省(次官、マジュンガ港港湾責任者)は港沖合いの航路の浚渫(水深8m以上)を重視しているのに対し、日本を中心とする漁業関係者は港での沖待ち時間を短縮して運航効率を高めるために岸壁付近及び停泊場所の水深を確保することを強く要望していることがわかり、求められる浚渫船の性能、作業形態が異なることが判明したため、優良なODA案件として形成するためには、両者の調整が必要であると思われる。
海洋放置船舶の実態については、日本の水産関係企業が活動の拠点としているマジュンガ港について調査を行った。(マダガスカルの他の主要な港としては、トアマシナ(タマタブ)、ムルンダヴァ、トゥリアルなどがある。)
マジュンガは、ベツィブカ川の河口に位置する小地方都市である。前述のように、マジュンガ港はベツィブカ川によって運ばれる砂の堆積で水深が徐々に浅くなっている。また、潮の干満が激しいため、岸壁の近くに停泊している船は干潮時には船底を海底につけた状態になってしまう。マジュンガ港の一部(ヨットなどが停泊している西側の入り江及び東側の砂浜の続く海岸)には、放置船が多数見られ、桟橋の上に乗り上げた形で放置されているものもあった。ただし、港の東側の海岸では、廃船の解撤作業が行われており、純粋な放置船というよりも、解体を待つ廃船が多数並べられているという状態に近いかも知れない。
このように、マジュンガ港周辺では、多数の放置船を確認することができた。放置船の多くは港内のスペースを使っており、港湾活動の妨げとなっていると思われるものの、同港において特段の問題視はなされていない模様である。
海洋放置船舶の観察スポット |
(マダガスカル共和国) |
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● マジュンガ港周辺 |
(この他、マダガスカル国内には港湾を中心に多数の観察スポットがあるものと予想される。) |
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