4.6.3 負荷変動時の脱硝システム性能評価
(1)試験内容
次に、起動時の負荷変動を模擬して、ガスによる加熱昇温に近い条件で試験を行った。試験方法は、舶用エンジンを舶用特性で、起動時を模擬した負荷変動パターンとそのときのガス流量に基づいてガスの導入量をコントロールして試験を行った。また、本試験では、吸着剤層および後段の触媒層を100℃程度に保持したままで、加熱昇温せずに、吸着剤層に実ガスを供給し、試験を行った。このときの負荷変動パターンおよび排ガス温度、NOx、SOx濃度の変化を図4.6-2〜4.6-5および表4.6-1に示した。
また、100%負荷相当時の排ガス量を400Nm3/h程度と見積もり、そのときのSV値が5,000h-1を想定しているため、表4.6-1に示したそれぞれの負荷時のガス吸気量から相当するSV値を算出し、各負荷での流量を調整した。
図4.6-2 実排ガス試験時の負荷変動パターン
図4.6-3 モデル出港パターンにおける負荷変動時の排ガス温度変化
表4.6-1 負荷変動試験時の排ガスデータ
負荷(%) |
時間 |
吸気量 |
NOx濃度 |
SO2濃度 |
O2濃度 |
排ガス温度(℃) |
(分) |
(N・m3/h) |
(ppm)* |
(ppm)* |
(%)* |
0(アイドリング) |
5 |
55 |
333 |
3.3 |
17.9 |
119 |
7(クラッチ入) |
15 |
55 |
928 |
6.6 |
15.3 |
170 |
15 |
5 |
78 |
1,133 |
9.2 |
13.3 |
246 |
30 |
5 |
125 |
1465 |
12.5 |
10.8 |
339 |
50 |
10 |
190 |
1462 |
14.5 |
10.3 |
388〜395 |
70 |
試験終了 まで |
250 |
1351 |
17.6 |
9.7 |
436〜448 |
*負荷0から50%は切り替え直前の値、70%はほぼ定常時(60分経過後)の値