3.8 まとめ
(1)「吸着剤−脱硝触媒」2層反応システム
V2O5(1%)/TiO2触媒を調製し、「吸着剤−脱硝触媒」2層反応システムの有効性を検証した結果、吸着剤前段からのアンモニア導入ではNH3酸化によりNOx排出量が増大してしまうが、吸着剤後段からのアンモニア導入によりNOx排出量大幅に低減でき、最大で98%のNOxの除去が達成できた。これらの試験データをまとめて表3.8-1に示す。
表3.8-1 吸着剤−脱硝触媒システム試験データまとめ
  |
NOx吸着量 |
NOx脱離量 |
NOx除去量 |
NO除去率 |
(CC) |
(CC) |
100〜500℃(CC) |
(%) |
NO-O2-H2O-NH3(前段) |
2.58 |
3.20 |
▲0.6 |
▲15 |
NO-O2-H2O |
2.58 |
2.50 |
0 |
0 |
NO-O2-H2O-NH3(後段) |
−−− |
0.47 |
3.53 |
88.3 |
SV=10,000h-1 |
NO-O2-H2O-NH3(後段)-SO2 |
−−− |
0.48 |
3.52 |
88.0 |
NO-O2-H2O-NH3(後段) |
−−− |
0.08 |
3.92 |
98.0 |
SV=6,000h-1 |
(2)ハニカム性能試験評価
吸着材を成形し、成形体の基本吸着特性の試験を行うことを目的として、吸着材の成形方法を検討した。成形のための担体としてコージェライト押し出し成型品(SiO2-Al2O3-MgO製)およびセラミックファイバーを用いて、吸着剤ハニカムを作製した。
作製した吸着剤ハニカムを用いてNO吸着性能試験を行った。吸着性能を向上させることを目的として、セラミックファイバーの厚みを0.1mmから0.3mmに変更してハニカム作製を行ったところ、改良後の吸着量は0.5ccから1.3 cc(約82%程度)へと増大した。SV=3,000h−1程度の実用領域で、低温時に排出される全排出ガスの82%程度を吸着しうる性能を示すことが明らかとなった。