2.4 小型内航船のモデル航行パターンとシステム作動イメージ
前述の調査データをもとに199トンクラスの小型内航船のモデル航行パターンを以下のように設定した。(表2.4-1、図2.4-1)
表2.4-1 対象とする小型内航船の航行モデル
機関概要 |
総トン数 |
199トンクラス小型内航船 |
使用燃料 |
A重油(硫黄分含有量1wt%未満) |
主 機 関 |
4サイクルディーゼルエンジン(1,000ps) |
航行パラメータ |
出港初期の触媒層温度 |
100℃* |
温度上昇までの時間(300℃) |
20分* |
航行時間 |
2時間(東京湾内エリア内航) |
排ガス中有害物質濃度 |
NOx:1000〜1500ppm |
SO2:最大200ppm |
排出ガス量 |
負荷率100%:5,000m3[normal]/h |
負荷率50%:3,000m3[normal]/h |
*(平成6年度「内航船用小型排ガス脱硝装置の開発」報告書、シップ・アンド・オーシャン財団による)
図2.4-1 小型内航船のモデル航行パターン
図2.4-2に吸着剤による出港時に排出されるNOxの除去イメージを示す。排ガス温度が300℃に達する20分間程度に排出されるNOxを一時的に吸着除去し、高温域では脱離させて、触媒により選択還元除去を行う。本システムの作動イメージを従来型の脱硝触媒システムと比較して図2.4-3に示した。また船舶への搭載イメージを図2.4-4に示す。
図2.4-2 出港時に排出されるNOxの吸着剤による除去イメージ
図2.4-3 「吸着剤―選択還元触媒」脱硝システムの作用イメージ
(上:従来型脱硝触媒、下:「吸着剤―選択還元触媒」システム)
図2.4-4 排ガス浄化触媒システムの概念図