I. 序章 ―本調査の意義―
はじめに
ビジョン、未来への構想。2002年の現在ほど、この未来への構想が求められている時期はない。そして、わが国の海洋問題についてはなおのことそれが求められているといってよい。
なぜなら、歴史的な省庁再編を終え、研究教育機関の独立法人化、長期にわたる未曾有の不況による産業活動の目を覆うばかりの沈滞状況のなかで、わが国の海洋・沿岸域の開発、利用、保全、そしてそれらに伴う取り組みやビジネスの方向性を明らかにすることが極めて重要だからである。