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4.5 効果判定方法
 効果の判定に用いた水生生物は、自然海水中の浮遊性甲殻類(動物プランクトン)である。この水生生物は、自然海水中に常時多数存在している。メカニズムの解明等には多くの実験データが必要であり、一回の実験で約1m3の海水を使う。したがって、自然海水中の浮遊生甲殻類は、膨大な数の生物を必要とする本実験に適している。
 処理基準および対象生物に関する国際的な議論は、まだ十分ではなく様々な意見が出されたままとなっている。ただし、その中で、実船実験を実施している米国等の「ろ過法」では、水生生物の大きさに着目した基準を提唱しており、その大きさは50μm〜100μm以上としている。浮遊性甲殻類の大きさは大凡30μm以上であり、この点においても初期実験の対象生物として適当であると考え採用した。
 効果の判定は、処理前の海水(コントロール)と処理後の海水中に存在する正常個体(写真II.4.5-1)及び損傷個体(写真II.4.5-2)の出現数を顕微鏡下で種別に計数観察し、変化状況を見ると共に、正常個体の出現数を用いて次の式で損傷率を算出して行った。
 
処理による損傷率計算式:
z0001_011.jpg
 
z0001_012.jpg
写真II.4.5-1 正常個体
(Oithona davisae)
 
z0001_013.jpg
写真II.4.5-2 損傷個体
(Oithona davisae)








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