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2.2 HNS輸送船舶の種類
2.2.1 ケミカルタンカーの種類
 ケミカルタンカーは、大きく分けて次の3タイプに分けられる。
(1) 汎用ケミカルタンカー(Parcel Tanker)
 多品目の化学薬品を、多数に分割されたタンクに積み分け、運送することができるように設計されたタンカーで、20,000〜40,000D/W程度のものが多く、積み荷相互間の混合や汚染などを防止するため、各タンクごとに配管、ポンプ等が独立に使用するよう配慮されている。
 通常、このタイプのものは、国際航海に従事し、少量多品目の薬品類を積み分けるのに適し、極めて多目的に使用することができる。また、30〜40以上にも分割された貨物タンクを持ち、船殻は2重底を有し、外板の一部あるいは全部が2重構造になっているものがある。
 汎用ケミカルタンカーの例を図 2.2-1に示す。
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図 2.2-1: 汎用ケミカルタンカーの例
(2) 専用ケミカルタンカー(特殊タンク船)
 建造計画の当初から運送する化学薬品が特定されていて、計画に基づいて一定区間を往復する用途に従事するものがこれに相当し、特定のプロジェクトに従って、船型、速力、荷役設備、海洋汚染防止設備等に関し、余剰設備を持たない合理的な設計をすることができる。
 ケミカルタンカー(特殊タンク船)の種類を以下に示す。
[1] 高圧液化ガス船
 ガス状物質を圧縮または加圧液化し、もしくは低温液化した状態のままで自船の圧力タンクに積載輸送する船舶で、積荷の性状に適応した圧力タンクを有し、あるいは低温を保持するための冷却・保冷設備を備えている。
 塩素ガスタンカーの例を図 2.2-2に示す。
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図 2.2-2: 塩素ガスタンカーの例
 
[2] 高温液体船
 固体状のものを工場で溶融して出荷し、船のタンクに積載、液状のまま60℃〜200℃程度の液温に保温しながら輸送する船舶で、船内タンクには保温、加熱装置を備えている。
 溶融硫黄運搬船の例を図 2.2-3に示す。
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図 2.2-3: 溶融硫黄運搬船の例
 
[3] 耐腐蝕船
 強酸、強アルカリ性及び過酸化性の液体または水溶液を積載する船舶で、一般に薬品タンク船と呼ばれている。
 これらの船舶は、貨物に対応した耐触性材によるタンク構造を有し、濃硫酸専用船を除き、ほとんどが二重船殻構造になっている。
 苛性ソーダ運搬船の例を図 2.2-4に示す。
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図 2.2-4: 苛性ソーダ運搬船の例
 
[4] 高度品質管理船
 毒性、腐蝕性、有害性または引火性を有する物質で、特に危険性の強いものを輸送する船舶である。品質の保持・輸送・取扱い上の安全、乗組員及び海洋環境の保護等のため、それぞれの貨物に適応した特殊構造を要求される専用船である。
 
(3) 一般用ケミカルタンカー
 建造計画時は石油精製品またはこれに類した積荷が目的であったものが、事情により、随時多品目の化学薬品の輸送に振り分けられた船舶である。タンク構造、浸水時復原性、荷役諸設備の配置、材質、タンク内塗装等を勘案し同船に適した積荷を積載する形態をとる。
 メタノール運搬船の例を図 2.2-5に示す。
 なお、メタノールはIBC Code(危規則)上、ばら積み液体化学薬品の規制対象となっておらず、石油精製品等を輸送するプロダクトオイルキャリアと同様に取り扱われる。
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図 2.2-5: メタノール運搬船の例








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