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サンフランシスコ太鼓道場田中誠一氏「米国版重要無形文化財」保持者に
〜G.W.ブッシュ大統領よりお祝いのことば〜
 アメリカで34年にわたり日本太鼓の普及と指導に尽力されたサンフランシスコ太鼓道場代表田中誠一氏が、「2001 National Heritage Fellowships」の受賞者に選ばれました。これは、米国版重要無形文化財の保持者として認定されたもので、9月19日に首都ワシントンで授賞式が行われました。田中氏より受賞の喜びと、授賞式に先立って行われた「日米講和条約締結50周年記念式典」で太鼓を演奏した感想をいただいておりますのでご紹介させていただきます。
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(授賞式)
サンフランシスコ太鼓道場
代表 田中 誠一
 
 この度は、北九州市における第5回日本太鼓全国フェスティバルにお招きいただきありがとうございました。また、私たちの演奏の冒頭、1級公認指導員の認定式まで行っていただき感謝申し上げます。道場の弟子たちにも大変教育的に意義深い訪日でした。39の出演グループの舞台をスムーズに進行させ、見事な運営をされた長谷川義会長以下の全九州太鼓連合をはじめとする関係者の方々のご尽力と大健闘を称えるとともに深く敬意を表します。
 私たちは9月8日、日米講和条約締結50周年記念レセプションにて、日米の要人1,500名を前に日米代表として米国代表のピアニスト デイブ・ブルーペック・カルテットと共演し、日米友好、文化交流の大役を果たしました。しかし、その3日後に世界中を恐怖で震撼させたテロ事件が発生、国中が厳戒態勢で極度の緊張感と混乱の中、私と家族、道場メンバー3名はワシントンへ向かいました。ホワイトハウスにおいてブッシュ大統領から手渡される米国の芸術家の殿堂入りとも言われている重要無形文化財の授賞式に出席するためです。しかし、テロ事件の影響もあり、場所はホワイトハウスではなく、また、大統領もご臨席のないまま、式典、レセプション、コンサートはしめやかに執り行われました。
 しかし、この1ヶ月は、34年間に及んだ米国生活の中で最も輝いた時期でした。それは、日米で各賞を受賞するという栄誉に浴することができたからです。これもひとえに小口大八先生をはじめとする諸先生方、また多くの太鼓関係者の皆様のご教尊、ご支援の賜物であります。また、アメリカ各地にいる太鼓仲間の努力のおかげと感謝し、お礼申し上げます。今後益々太鼓道に精進いたしたいと思います。
 さて、昨年11月にカルフォルニア大学バークレー校内ゼラベック劇場で催された国際太鼓祭り、そして併催された日米太鼓サミット会議に(財)日本太鼓連盟が初めて参加されました。塩見副会長が出席され、アメリカにおける和太鼓のありのままの姿を見ていただいてから、ようやく(財)日本太鼓連盟もアメリカの太鼓に目を開いて下さったと感じております。今は世界に太鼓の輪が広がっております。和太鼓とは!日本太鼓連盟とは何か!というメッセージを世界に向かって発してください。
 合掌。
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(ブッシュ大統領からのお祝い)








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