7.考察
1)事故分析
重大事故の多くは、落水者に対する後続艇の接触によるものが多い。このため、競技者に対し、落水した場合直ちに、ヘルメットの顎ガードを掴み、水中に潜るよう指導している。
これは、ジェットスポーツの競技艇の滑走面には凹凸が少なく、プロペラを露出することもないため、落水者の上部を競技艇が通過することで、重大事故に繋がらないようにするものである。
しかし、この動作を不慮の事故である落水時に,ライダーが直ちに実行するのも容易でなく、また、ウエットスーツ、救命胴衣、ヘルメットと、浮力体を含んだ装備が多く、浮力が大きく潜れない状況である。
また、艇の高速化、重量増加等で落水者に与える衝撃も増加している。更にまた、この速度と重量の増加は、走行中に撒き上げるスプレーも大きくし、後続艇ライダーの視野確保を妨げている。