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 中国山地地方の島根県柿木村では「ウッポウ」、島根県匹見町では「シブタ」とよばれる藁で編んだオワン型の入れ物で分蜂群を取り、それをドウの上に乗せてしまい固定する方法をとる地域もある。「蜂一覧」には、それと同じものが図で示されており「ラッポ」と記載されている。
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[9]A型の円筒型の巣箱、ミツドウ(右・島根県柿木村下須、左・奈良県十津川村)
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[10]B型の長方体型のミツドウ(右・島根柿木村、左・広島県作木村、布野村)
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[11]C型、箱筒を積み重ね型のミツドウ(上・島根県佐田町、下・弥栄付)
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[12]D型の巣箱(上・奈良県熊野川町、下・十津川村)
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[13]ラッポ
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[14]積み重ね型の巣箱、いずれも「蜂一覧」より
 積み重ね型の巣箱は中国山地地方でみられる。つり下げ型と地上に設置型とがある。この巣箱については、「蜂一覧」(一八七二)にも示されており、江戸時代には積み重ね型の巣箱があったことになり、今日もこうした巣箱が使かわれていることは、注目すべきところといえる。この巣箱の使用方法は、巣分かれのニホンミツバチを箱で採取して、それを一段目として設置して、単板が伸び一段目が一杯になると底のない筒を継ぎ足していく方法をとる。この箱型の利点は採蜜の時、積み重ねられた箱の上段の二から三段をとるのが取りやすいことにある。また、太い木を使うドウ型の巣箱に比べ、板使用の巣箱の材料は、材料が入手しやすいといえる。積み重ね型の巣箱は、江戸時代にもあったことから伝統的巣箱といえる。
 立方体型は紀伊山地地方の奈良県十津川村、和歌山県熊野川町でみられる。前開きの板があり、巣箱は「ミツバコ」とよばれている。巣箱の設置場所は、陽がよくあたる南方向がよく、岩場か大木の下が適している。
 桶型の巣箱は長野県下伊那郡大鹿村、上村でみられる。桶には、桶蓋を取り付けねかして使う。桶蓋には、ニホンミツバチの出入り口となる穴が一ヵ所だけ開けてある。
 各地の地上に置く巣箱は、石の上に板を置いた上や、コンクリートブロックの上に置く。巣箱の上には、雨露を避けるためトタンやブリキ缶を切り乗せている。








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