12 中野金物店
台帳番号72
上の町906
概要 敷地は南北に往来する島原街道の西側に位置する。主屋は街道に東面して建ち、北側を上手とする。
主屋主体部分は桁行3間(5.6m)、梁間5間(10m)、切妻造桟瓦葺き平入で、本二階建である。主屋正面に1間、背面に半間の下屋を下ろす。外壁は大壁漆喰塗りである。
主屋主体部分の間取りは、一階が上手裏の一部に床上部を配するほかは土間で、金物店舗として商品棚が並ぶ。二階は2室の座敷を整え裏側の座敷には床の間を南面させ、床脇に違い棚と仏壇を設ける。
建築年代は明らかではないが、平入で大壁造の伝統的要素を残しながら、本二階建で大正時代の特徴をあらわしているため、大正時代初期と考えられる。
特徴 中埜家は昭和21年に金物店を開業した。主屋は現状より北側へ広い建物であったが平成2年に規模を縮小した。当家は本二階建としてつくられ、二階に仏間を設ける。つし二階建が主流であった町屋の形式を破り、本二階建の町家を建てるようになるのは、島原においては大正時代からと考える。本二階建町家への移行を示す重要な建物である。
また、主屋南面はレンガ造の防火壁(ウダツ)建て、これも当家の特徴といえる。
中野金物店
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一階平面図1/200
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二階
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梁間断面図1/100