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13 宮崎商店 
台帳番号78
上の町897
 
概要 敷地は南北に往来する島原街道の西側に位置する。主屋は街道に東面して建ち、北側を上手とする。敷地西側に焼酎蔵、南側に作業小屋が建つ。敷地中央にはレンガ造の煙突がそびえ立つ。
 主屋は建築年代の異なる下手の店舗棟と上手の座敷棟に別れ、座敷棟が新しく昭和に建替えたものである。下手建物の主体部分は桁行4間半(8.9m)、梁間4間(7.9m)、切妻造桟瓦葺き平入、つし二階建で、正面に1間半、背面に1間の下屋を下ろす。現座敷棟を建てるときに上手半部を切断した。上手建物の主体部分は桁行6間(11.9m)、梁間2間半(4.9m)、入母屋造桟瓦葺き妻入で、本二階建である。
 現在の主屋間取りは、店舗棟が表半分と正面下屋部分を土間の酒店とし、裏半分を居室とする。座敷棟は3室を1列に配し、表から仏間、床の間、寝間とする。建築年代は、下手建物が棟札より明治39年の建築、上手建物は聞取りから昭和6年の建替えであることがわかっている。
 
特徴 当家は酒販売業を営んでいるが、以前は酒造業をおこなっていた。当時使用していた焼酎蔵からも棟札を確認することができ、下手建物同様、明治39年の建築と判明した。現在はイベント会場として活用されまちづくりに貢献している。なおレンガ造の煙突も明治39年に立てられたもので、当家が酒造業を営んでいた証であり、また島原のレンガ構造物の先駆けとしても町内のシンボルである。
 明治末期に建てられた醸造業の町家として、主屋、附属建物ともに、その姿をよく残している。
 
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宮崎商店
 
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主屋裏にあるレンガ造の煙突
 
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屋根伏図
 
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一階平面図1/200








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