日本財団 図書館


(2)旧杉村邸の再生・利活用の方針
 
歴史や文化をつたえる伝承活動の拠点〜仮称・旧吉田宿伝承館〜
 
○歴史的建築物の利活用イメージ
 旧吉田宿に唯一残る伝統的な町家建築の特徴や広い裏庭を活かし、お年寄りから子供達へ、名人から一般町民へといった幅広い世代間、主体間での郷土文化の伝承活動の場としていく。
<習い事>
 和室や裏庭を使って、俳句、詩歌、舞踊、歌謡、茶道、華道、秩父歌舞伎、太鼓等の習い事の練習や発表をおこなう。
<年中行事や郷土学習>
 学校教育の総合学習の時間や一般町民を対象とした生涯学習の機会をとらえ、現在失われつつある季節ごとの歳時の伝承や、郷土の自然や歴史、文化などの様々な郷土学習をおこなう。
<まちかど博物館>
 現在歴史民俗資料館に展示されている古民具や秩父事件資料等を常設展示するまちかど博物館を設け、まち歩きの発見の楽しさをさりげなく演出する。
<食文化や郷土産品>
 手打ち蕎麦やおっきりこみはもとより、えびしやつとっ子などの郷土料理を伝承し、お茶と郷土のお菓子とともに町民や町を訪れる人に味わってもらう。また、郷土の物産を直売する。
○歴史的建築物再生の基本的な考え方
<建物の補修、改造>
 構造面や設備面、老朽化した内外装等での必要な補修と、新たな機能を受け入れるための水回りや「みせ」空間の改修をおこなう。
<裏庭の広場整備>
 建物の裏庭空間を様々な野外活動やイベントに利用できるように設える。外構整備に当たっては、町家建築との景観的な調和に配慮しながら、過度にならないように注意する。
<落石防護柵や斜面の修景・緑化>
 まちなみに不釣り合いな落石防護柵の土木的な景観を、従前の緑豊かな景観に復旧するためのするための修景・緑化をおこなう。
<町民自らの手でつくる>
 歴史的建築物再生、裏庭の整備、斜面の修景・緑化に当たっては、町民と町内の企業、役場が協力して自らの手で、環境改善を図るグラウンドワークを取り入れる。
(拡大画面: 109 KB)
z1045_01.jpg
敷地全体の利活用イメージ S:1/300
(拡大画面: 72 KB)
z1046_01.jpg
1階利活用イメージ S:1/150
(拡大画面: 30 KB)
z1046_02.jpg
2階利活用イメージ S:1/150
敷地断面イメージ
z1047_01.jpg
○旧吉田宿伝承館で開催するプログラム例
<伝承館グラウンドワーク・プログラム>
 町内外のボランティアを募り、旧杉村邸を伝承館に改造するプログラム。
<親子龍勢教室>
 裏庭を使い、町内外の親子を対象に、ミニ龍勢の制作をおこなう。出来上がったミニ龍勢を持ち寄り、吉田小学校の校庭や芦田農村広場で打ち上げ大会を開催する。
<放課後クラブ>
 竹トンボづくりや竹馬、ベーゴマなど昔ながらの外遊びを吉田町のお年寄りが先生となって、学校帰りの子供達に教える。常時遊ぶこともできる。
<秩父歌舞伎祭り>
 裏庭に野外舞台を設置し、秩父歌舞伎の練習や公演を行う。
<養蚕体験>
 吉田町のかつての主要な産業であった養蚕業を体験する。繭づくり、機織り等。
<趣味の教室>
 俳句、詩歌、舞踊、歌謡、茶道、華道等のサークル活動や教室を開催する。
<おじいさん・おばあさんの知恵袋教室>
 町内のお年寄りが先生となり、郷土料理や伝統芸能を伝承していく。
<よろず雑学教室>
 郷土や環境等、様々な分野の名人や物知りを招き、課外教室を開催する。
<イベントの開催>
 フリーマーケットや屋外コンサート等を開催する。
<年中行事>
 失われつつある年中行事や伝承行事を定例で開催する。
(餅つき大会、節分祭、ひな祭り、子供の日、七夕まつり、十五夜お月見、他)








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION