No.28 高橋家住宅
国重要文化財の高橋家住宅は宝暦年間(1751〜62)の建築で、切妻造、妻入の古形式を示す。すなわち、棟高が低く、妻壁は単純に柱と貫で構成され、土壁塗りで貫現し、中二階の窓開口も狭く、格子が入る。さらに「こみせ」の形式も一定で、柱はほぼ間ごとに立ち並ぶ。内部については北側の2間幅の通り土間も当初のまま残り、店舗裏には2列に居室が続く。米穀や味噌、塩などを扱っていた高橋家は藩政期から、それなりの地位を確保していたようで、屋敷裏には文庫蔵や米蔵、味噌蔵の土蔵3棟を所有している。また、屋敷間口は隣地屋敷の買収による拡大はあったと見られるが、約19間で、中町地区ではNo.1の鳴海家に次ぐ広さである。したがって、全長約36mの「こみせ」の回廊は見事である(図3-55,56,57,58)。
図3-55 高橋家住宅 図面1 (保存修理工事設計図と平成13年度の調査による)
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図3-56 高橋家住宅 図面2
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図3-57 高橋家住宅 図面3
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図3-58 高橋家住宅 図面4