No.9 葛西洋服店
この建築も、一見、鉄筋コンクリート造りのように見えるが、昭和49年に建設した木造二階建てモルタル仕上げの店舗付住宅である。No.8と同じ鉄骨のアーケードがこの店舗前面にも設置されている(図3-35)。
図3-35 葛西洋服店 図面
No.10 真土家住宅
切妻造、平入の木造二階建てのこの住宅は、明治9年(1876)に建設されたと伝えられているが、所有者が数回替わっているので、詳しいことは不明である。北側に1間幅の通り土間を設け、店舗の裏には居室が奥の土蔵まで続く。このタイプは解体される前のNo.4の宇野家住宅と類似する。また、二階の軒高までが4.24mと比較的低いことも注目される。二階の手摺や「こみせ」には伝統的な形態が残っているが、表側車庫にシャッターが採用されているほか、「こみせ」には柱の省略なども認められる。なお、屋敷南側の居室に面する場所には坪庭が見られる(図3-37)。
図3-37 真土家住宅 図面
No.11 岩崎材木店
表側の作業場は昭和45年頃の建築で鉄骨造、奥の土蔵を囲んだ居室は昭和25年頃の建築で木造である。作業場の前面には一段高い鉄骨のアーケードが設置されている(図3-36)。
図3-36 岩崎材木店 図面
No.12 佐藤理容所
昭和53年に建設された木造二階建てモルタル仕上げの店舗付住宅である。店舗の間口は2間半と狭く、店舗前面には「こみせ」もアーケードもない(図3-38)。
図3-38 佐藤理容所 図面