(4) 競合エリアにおける鉄道の分担構造
定期券利用者の経路選択の状況について、代表的なものを以下に示す。
○芦屋・阪神芦屋・芦屋川 (東海道本線・阪神本線・阪急神戸本線)から本町 (大阪市交御堂筋線・四つ橋線)へ
芦屋から本町への流動では、ほとんどが御堂筋線への乗換となっている。
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・ 金額は、芦屋・阪神芦屋・芦屋川から本町までの通勤定期(1ヶ月)の運賃
・ 所要時間は、芦屋、阪神芦屋、芦屋川から本町までの所要時間
図 3-8-24 芦屋・阪神芦屋・芦屋川から本町への流動
数字は定期利用のみ
資料: 平成7年 大都市交通センサス
○上新庄〜総持寺 (阪急京都本線) からなんば (大阪市交御堂筋線・千日前線) および堺筋本町 (大阪市交堺筋線・中央線)へ
阪急京都本線から難波への流動では、梅田駅から御堂筋線の利用の他、西中島南方からの乗換や、堺筋線経由などの複数の経路がみられる一方で、堺筋本町への流動では、ほとんどが堺筋線経由となる。
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・金額は、茨木市からなんばまでの通勤定期(1ヶ月)の運賃
・所要時間は、茨木市からなんばまでの所要時間
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・金額は、茨木市から堺筋本町までの通勤定期(1ヶ月)の運賃
・所要時間は、茨木市から堺筋本町までの所要時間
図 3-8-25 上新庄〜総持寺からなんば、および堺筋本町への流動
数字は定期利用のみ
資料: 平成7年 大都市交通センサス
○運賃の現状
・ 京阪神圏は首都圏に比べ、運賃水準が約70円高くなっている。
・ 首都圏では事業者間でほぼ同一運賃となっているが、京阪神圏では事業者間のばらつきが大きい。
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図 3-8-26 圏域別10km乗車運賃
資料: 都市鉄道調査
○事業者別距離帯別運賃
・ 事業者別の距離帯別運賃をみると、競争性の強い20km付近まではほぼどの事業者も同様な運賃が設定されているが、それ以外の距離では、事業者間に大きな差が生じている。
・ 東京圏と比較すると、相対的に高い運賃となっている。
図 3-8-27 事業者別・距離帯別運賃の比較
○サービス水準指標の比較
・ 京阪神圏においては踏切箇所、日中の運行本数、優等列車の表定速度、エレベータ設置比率、混雑率、ならびに定時性について水準が高いといえる。
・ 一方、駅前広場の設置、サービス時間帯(始電〜終電時刻)、緩行列車の表定速度、乗車運賃、エスカレータ設置比率で東京圏より水準が低くなっている。
表 3-8-3 京阪神圏・首都圏における平均鉄道サービス水準比較
個別指標 |
地域 |
京阪神圏 |
首都圏 |
京阪神圏が
優れている項
目 |
乗車等 |
ピーク時運行本数
(本/2時間) |
34.2 |
36.4 |
× |
日中の運行本数
(本/2時間) |
21.5 |
20.8 |
○ |
サービス時間帯
(終発時刻−始発時刻) |
19:00 |
19:13 |
× |
ピーク時の表定速度
(最速列車・km/h) |
44.2 |
40.1 |
○ |
日中の表定速度
(最速列車・km/h) |
49.3 |
45.8 |
○ |
ピーク時の表定速度
(緩行列車・km/h) |
33.0 |
35.0 |
× |
日中の表定速度
(緩行列車・km/h) |
35.5 |
38.1 |
× |
10km乗車運賃 |
241.6 |
188.5 |
× |
最混雑区間の混雑率
(ピーク時) |
140% |
187% |
○ |
ピーク時直後の混雑率 |
85% |
140% |
○ |
30分以上遅延回数 |
9.6 |
11.2 |
○ |
アクセス・
結節点 |
駅前広場設置駅比率 |
25.0% |
37.0% |
× |
40分以上遮断している
踏切箇所数(箇所/km) |
0.13 |
0.26 |
○ |
乗り
換え |
乗換駅における
平均乗換時間(分) |
3.9 |
3.0 |
× |
バリアフリー |
エレベータ設置駅比率 |
43.4% |
21.4% |
○ |
エスカレータ設置駅比率 |
53.4% |
60.5% |
× |
資料: 都市鉄道調査
(整備水準指標調査における事業者アンケートの平均)