2.2.1−4)試設計
(1)質量・寸法
前項で得られた各構造におけるギヤ比配分で試設計を行い目標の質量500〜550kgをクリヤー出来ることを確認した。
構造 |
スター+スター |
スター+プラネタリ |
スター+平行軸 |
計画質量 kg |
530 |
450 |
700 |
長さ mm |
965 |
890 |
1010 |
外径 mm |
φ680 |
φ610 |
- |
幅 mm |
680 |
610 |
600 |
高さ mm |
780 |
710 |
940 |
スター+スター構造の計画図を下図に、
スター+プラネタリ構造の計画図を下図に示す。
各構造別の各部質量比較を下図に示す。
減速機構造と質量
主要部質量配分
図中のSはスター型、Pはプラネタリ型、Rは平行軸型を示す。
(2)主要部設計値
最適ギヤ比配分における試設計結果、各部の強度に問題ないことを確認した。
次頁にスター+スター型とスター+プラネタリ型の2段遊星構造について主要部の要目と強度一覧表を示す。
2.2.2 遊星歯車、平行軸歯車の歯車形式使い分け
遊星歯車の特徴として一般的に知られている内容と、前述の小型・高性能化の調査結果を次頁の表にまとめる。
表から小型・軽量を重視すれば遊星歯車を選択する事になるが、軸配置等の客先仕様により決定される。
遊星歯車
平行軸歯車
遊星歯車の特徴
(平行軸歯車との比較) |
今回の仕様との適合性
(良・否) |
高速軸(サンギヤ)に軸受が無く高速回転に向いている(弊社実績10000min-1) |
良 |
ギヤ比5以下では小型・軽量効果が大きい(前頁写真参照) |
良 |
大ギヤ比でも小型・軽量効果が大きい |
良 |
1段で大きなギヤ比を設定出来る |
良 |
入出力軸芯が同芯で据え付け作業性が良い |
良
(但し客先仕様による) |
歯車数が多くコスト高 |
否 |
主要部の要目と強度一覧 総合ギヤ比=12.919 総合ギヤ比=13.066
項目 |
スター+スター型 |
スター+プラネタリ型 |
一段目歯車 |
圧力角 他 |
α20°Mn=2.5 スパー |
α20°Mn=2.0 スパー |
歯数(s/p/i)&ギヤ比 |
27/53/133 4.926 |
35/53/141 4.029 |
プラネット個数 |
4 |
4 |
PCD(s/p/i) mm |
67.5/132.5/332.5 |
70.0/106.0/282.0 |
歯幅 mm |
90 |
94 |
JG曲げ余裕(s/p/i) |
1.4/1.1/1.4 |
1.3/1.0/1.2 |
JG面圧余裕 |
1.1/2.1 |
1.1/1.8 |
二段目歯車 |
圧力角 他 |
α20°Mn=3 スパー |
α20°Mn=2.5 スパー |
歯数(s/p/i)&ギヤ比 |
53/43/139 2.623 |
74/46/166 3.243 |
プラネット個数 |
6 |
6 |
PCD(s/p/i) mm |
159.0/129.0/417.0 |
185.0/115.0/415.0 |
歯幅 mm |
90 |
76 |
JG曲げ余裕(s/p/i) |
1.5/1.0/1.3 |
1.5/1.1/1.3 |
JG面圧余裕 |
1.3/1.2 |
1.5/1.2 |
一段目メタル |
メタル面圧 N/mm2 |
3.5 |
4.2 |
周速 m/s |
31.6 |
33.3 |
最大温度 ℃ |
81.0 |
81.7 |
油膜厚さ mm |
0.023 |
0.050 |
二段目メタル |
メタル面圧 N/mm2 |
4.0 |
4.1 |
周速m/s |
15.3 |
15.4 |
最大温度 ℃ |
84.4 |
71.6 |
油膜厚さ mm |
0.037 |
0.029 |
注) (s/p/i)はサンギヤ/プラネットギヤ/インターナルギヤを示す。