2.2.1−3)ギヤ比配分方法の解析結果
(1) 小型・高性能化を左右している部品
歯車強度許容値、軸受強度許容値等の条件を変えて調査し、次のことを把握した。
[1] 歯車強度を上げ小型化を図ってもプラネット軸受の性能が何れの遊星構造においても小型化を妨げている。
[2] 高速1段目がプラネタリ構造の場合はプラネットギヤの遠心荷重が過大になり成立しない。
(2) 減速機構造とギヤ比配分
(2)−1 2段遊星構造
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前記(1)−[2]項から本減速機の仕様で可能な構造はスター+スターとスター+プラネタリの2種類に絞られる。最適ギヤ比配分を選定するために1段目ギヤ比と質量・主寸法・効率の関係をまとめた。図から次のことが言える。
[1] 質量は負荷容量の大きいプラネタリ型を有した構造の方が約80kg軽量化出来る。どちらの構造でも歯車部の概略質量から減速機の総合質量は目標の550kg以下になることが推定できる。
[2] インターナルギヤ径寸法は2種類の構造で大きな差は見られない。
[3] 長さ寸法はスタ−+プラネタリ構造の方が小型化出来る。
[4] 効率は2種類の構造とも大きな差は見られず傾向は同じである。
[5] 1段目最適ギヤ比の選択は[1]〜[4]をまとめると
(注:4.5が最適だがコストを考慮しプラネットギヤ個数の少ない4.Oを選択)
尚、当仕様の全ギヤ比13.0以外(出力回転速度1000〜1800rpm)の2段遊星構造の最適ギヤ比配分と歯車部の概略質量を調査した。
各ギヤ比と歯車部概略質量
スター+スター
スター+プラネタリ
(2)−2 遊星+平行軸構造
本調査研究の減速機は2段遊星歯車構造であるが、船内レイアウトによっては入出力軸芯が異芯タイプも必要となる。参考のため遊星歯車+平行軸歯車構造についても最適ギヤ比配分を調査した。尚、前項で記したように1段目遊星はスター型が条件となる。
最適ギヤ比配分を選定するために2段遊星構造と同様に1段目ギヤ比と質量・主寸法・効率の関係を下図にまとめた。2段遊星構造と部品共通化を考慮すると5.0が最適となる。
ギヤ比配分と質量、主寸法(遊星+平行軸)
ギヤ比配分と性能(遊星+平行軸)