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舶用ガスタービン用減速機の小型・高性能化
新潟コンバーター株式会社
(現,(株)新潟鐵工所NICOカンパニー)
1.調査研究の目的
 船舶への推進用ガスタービンの採用は船舶の高速化そして近年では環境問題から国内外で検討されている。
 推進用ガスタービンの減速機は何れの推進方式でも高速で高減速比の仕様となり、従来よりも厳しい「小型・軽量・高性能」の条件になることが必至である。
 しかし、減速機を設計するに当たっては、[1]大減速比仕様でありながら小型軽量化の達成、[2]強度を満足した小型化の達成、[3]大幅な軽量化のためアルミニューム材歯車箱を採用し、かつ高性能を左右する歯車箱剛性を確保させる、などの相反する課題をクリヤーしなければならない。
 また、今後、船舶へのガスタービン搭載検討が国内でも急速に進み、ウォータージェット推進の高速客船などに採用されることが推測される。
 このため本調査研究では、上記の相反する課題について調査するとともに、減速機の大幅な小型軽量化及び高性能化に対応可能な設計手法を確立する。
2.実施内容
 現在国内で開発が進んでいる内航船用のガスタービンは、対象とする船種と減速機の仕様は未定である。そのために今回の調査では、一つのケースとして需要が見込まれるウォータージェット推進を想定し、減速機に関する基礎技術の調査研究を机上で実施した。
 研究開発品の要目は内航船、JG船級規格として次の減速機仕様を設定した。
●原動機:ガスタービン・・・・・・・・・・・・2600kWX13000min−1
 回転方向/出力から見て時計方向
 又は反時計方向
●被動機:ウォータージェット・・・・・・1000min−1
 回転方向/出力から見て時計方向
●減速機:遊星歯車式2段減速構造・・・減速比=13.0
 目標質量=500〜550kg
 (補機、アクセサリーは含まない)
実施項目は次の3項とした。
(1)動力伝達部品の強度検討
(2)試設計による設計法の解析及び評価
(3)FEMによる設計法及び評価
 
 実施期間
 開始:平成12年4月1日
 終了:平成13年1月31日
2.1 動力伝達部品の強度検討
 歯車の小型化は特殊鋼材、熱処理・表面処理方法の検討である程度可能であるが、これにより歯車噛み合い荷重の増加も伴うので軸・軸受等の強度に影響する。
 本減速機でも歯車を小型化することによりプラネット軸受の性能が逆に小型化を妨げていることが確認された。軸受の改善には試作試験による確認が必要であるため本調査研究ではJG規格に沿った範囲で調査をした。








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