3.4 評価
評価内容と、その結果を表10に示す。
表10 評価内容と結果
  |
評価 |
結果 |
1 |
台上機能試験 |
計画機能に対して不具合なし。 |
2 |
単体信頼性試験 |
計画目標値に対して問題点なし。 |
3 |
実艇試験 |
操作性に問題があったが改良済み。 |
1) 台上機能試験
本評価では計画・設計仕様に対する確認を実施した。開発期間の制約上、計画仕様以外の部分に潜在化したソフトウェア・バグ(不具合原因となりうる不良)が隠れている可能性は否定できない。製品化の段階で徹底したチェックが必要である。台上試験用治具の写真を図6に示す。
図6 台上試験用治具
2) 単体信頼性試験
信頼性目標値に対する評価を実施、問題となる項目は無かった。
3) 実艇試験
委員会メンバー立ち会いのもと試作プロトタイプ(ハード確認用)を用いて実施した。図7に写真を示す。
図7 実艇試験(浜名湖)
[1] 操作性
当初設計案による試作品では各スイッチヘの機能割当が適切でなく、1つのスイッチに3つもの機能が集中して操作性に問題があった。これに対して1つのスイッチヘの機能割当は原則2つまでとするべく、スイッチヘの機能割当を改良した。これにより直感的なスイッチ操作が可能となった。
[2] 認知性
キャビン内設置を考えた場合、問題となる部分は無かった。
[3] 意匠性・認知性
パネルデザインが全般に地味である。これは様々な設置場所にマッチする様に考えたものであるが、製品化の際にはもう少し存在感を主張意匠とすると共に、スイッチの機能表示なども見やすくする工夫が必要である。
[4] 配線・設置性
試作仕様では設置のためのスペース効率が良くない。設置自由度や省スペースを考えた改良が望まれる。
[5] 製品安全
特に危険な部位は認められなかった。
その他、製品化に対する大きな障害となる不具合は認められなかった。
4.調査研究の成果
4.1 成果
本開発においては委員会の協力のもと仕様計画を重点的に行ったため、完成度の高い試作を行うことができた。基本機能としては直ぐにでも製品化開発へ移行できるレベルであると考えられる。以下に、本メンテナンスモニター調査研究の主な成果を列挙する。
[1] メンテナンス励行・管理ツールの提供
主要メンテナンス管理項目について、赤色LED点滅他によって積極的なメンテナンスの励行支援を行うと共に、実施履歴の詳細記録・管理を行うことができる装置を完成することができた。
[2] 汎用性と機能性を両立
様々なエンジンのメンテナンス・スケジュールと15年分の全メンテナンス履歴を記憶できる大きな記憶素子を内蔵、特殊な配線も必要とせずに、大半の小型舶用エンジンに使用可能である。
[3] バックアップ電源不要
記憶素子には不揮発性メモリ素子を使用、安全性などに課題のあるエンジンバッテリからの電源バックアップを必要としない。
[4] パソコンによるメンテナンス管理
パソコン通信機能により、パソコンを使用した総合的保守管理を可能とした。
以上