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解析・検討結果
イ)新ブレーキの導入
 停止時の制動力を考えた時、電磁クラッチを使用した試作機の作業状態より、新型のブレーキシステムが導入できます。
 従来品のブレーキは、ブレーキの効きが悪く、急停止が出来ない。又、ブレーキ構造が大きく、密閉式とすることが不可能である。巻取機は、引火の可能性のある時に使用される物であるが、ブレーキの発生するスパークについては、外箱等による対策が取れない。
 しかし、電磁クラッチを使用することで、減速機の前にクラッチをセットする事が可能となり、減速機にウォームギャを使用すれば、ウォームギャのセルフロック機能によってクラッチを切った瞬間に外輪の急停止が可能となります。巻取機は、緊急用ですので自由回転が基本ですが、この基本で設計すれば急停止はしません。逆に急停止を基本とすれば自由回転は可能です。動力集積装置を負荷と減速機の間にセットすれば急停止時の衝撃力を緩和できます。
 ウォームギャのセルフロック機能を主ブレーキとすれば、ブレーキ系統は、すべて動力部に集まります。このようにクラッチ、減速機、ブレーキを一つの外箱に入れることができるため、発熱の問題はありますが、スパーク対策の有効な手段となります。
 
ロ)部品図の自動作図
 コスト削減の為には、迅速な線形が必要であり、その手段として部品図を短期で用意することが有効です。
 製作・部品図面が無い為、全ての部品について現物より実寸を求め、部品図を起こしこれらをCAD上で合成し製作図面としておりましたが、部品の各寸法を計算により求めこの計算式を重量計算プログラムに組み込み各部品主要寸法一覧とするプログラムを作成し、試作機はこのデーターに基づいて作図できます。
 
ハ)パラメトリック図面の導入
 部品の数が非常に多く、自動作図の必要性を痛感しましたので、CADよりさらに作図の早いパラメトリックを2号機より導入する為のプログラムを一部ですが作成しました。
 この作図方法は、各部品主要寸法一覧のデーターを拘束定義したCAD図面に入力すれば、作図は機械が自動的にするものです。したがって、一般の人でも、非常に早く、間違いなく、巻取機なら設計できます。
 CAD画面におけるパラメトリック図面の作図状態です。右の数値がパラメーターとなっております。
z1045_01.jpg
 この作図画面の右下を拡大すると、下図の様になり、各部の構成がパラメーターにより、構成されている事が分かります。
z1045_02.jpg
 各パラメーターは、基準となるパラメーターと次の様に定義付けしていますので、仮にZ1001に数値を入れると、Z1001からZ1001−16まで、自動的に変化します。
z1046_01.jpg
 これと同様に、右側の基準のパラメーターを全て代入すれば、次の図面が自動的に出来ます。
(拡大画面: 142 KB)
z1046_02.jpg








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